金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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テンポスタッフの増加で救われた1月の雇用統計。それでも株価は続伸

2021年02月06日 | 投資
 昨日(2月5日金曜日)発表された米国1月の雇用統計は数字はアナリスト予想に近かったが中身を見ると雇用の弱さを浮き彫りにするものだったと思う。
 1月の非農業部門雇用者増は49千人(事前予想は50千人)だったが、中身を見るとテンポスタッフ(臨時社員)の雇用が80千人増えていた。もしテンポスタッフの雇用増がなかったとすると1月も12月に続いて雇用はマイナスに留まったことになる。
 WSJは「テンポスタッフの増加は、雇用市場についてあいまいなメッセージを送っている」と書き、PNC Financial Service Groupのチーフエコノミストの「テンポスタッフの採用は企業が需要増を予想していることを示唆するが、企業が需要が持続するかどうか自信が持てないことも示唆している」というコメントを引用していた。
 失業率は事前予想や前月実績(6.7%)を下回り、6.3%に低下した。
 失業率の低下は「失業者が仕事探しを止めたこと」と「失業者が自営業を始めたこと」の二つの要因で起こった。労働参加率は昨年2月の63.3%から61.4%に低下した。失業者が仕事探しを止めた理由は「就業によるコロナ感染リスク警戒」「子どもの世話負担の増加」「限られた求人」などである。
 これらのことをまとめて考えると先月の雇用統計は、米国の景気回復と雇用回復の道のりが険しいことを示唆したと思うが、株式相場は堅調でS&P500とナスダックは新高値を更新した。これは景気回復に向けて政府が強力に支援するだろうという期待によるものだ。
 私は雇用統計の数字が悪くても株価は堅調に推移すると予想していたが、これだけは当たったようだ。
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