金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

血を流さない戦争ができるのは誰か?

2021年09月16日 | ニュース
 自民党総裁選挙の告示が明日(9月17日)に迫った。昼の報道番組によると野田聖子幹事長代行も推薦人の確保に目途をつけ、出馬する予定というから、総裁選は、岸田氏、高市氏、河野氏、野田氏の4名で争われることになりそうだ。
 マスコミには世論の声として「コロナにどう取り組むか?」が争点だという声が大きいが私は違うと考えている。
 というのはコロナウイルスとの闘いは持久戦であり、誰が頑張っても抑制までには2年程度はかかりそうである。無論医療体制の整備で救える命の数は変わるかもしれないがそれは必ずしも首相のイニシアチブに関わるものではない。むしろ実務部隊の仕切り力の問題だと私は考えている。

 この時期首相のイニシアチブがもっとも必要なのは、外交問題であろう。タイトルに「血を流さない戦争」と少々エキセントリックな言葉を持ってきたが、これは「戦争論」を書いたクラウゼビッツの言葉だ。
 アメリカのアフガニスタン撤退、中国潜水艦の尖閣諸島接近、北朝鮮のミサイル発射実験など緊張はかってないほど高まっている。
 文藝春秋10月号に塩野七生氏が「外交とは、血を流さない戦争のこと」の中で「これからは血を流さない戦勝を最重要目的にしなければならない」と述べ、次のことが重要だと述べていた。
① 他国の善意に期待して、などとは考えないこと
② アメリカ合衆国には頼り切らないこと
③ 軍事力を持つこと。一国だけで勝てるほどの軍事力はもたなくてもかまわない。だが、攻めてこられた当初にしろ迎え撃てる程度の軍事力は維持する必要がある。
④ 経済力と技術力の向上も忘れてはならない。
塩野さんの一文は菅首相が自民党総裁選不出馬発表前に書かれている。
 つまり誰が総裁候補に立候補するか分からない時点で書かれたものだが、塩野さんの要求水準を一番満たしているのは、高市さんの政策だと私の目に映った。
 国民目線からいうと、コロナは喫緊の課題だけれど早晩落ち着くものである。逆に言うとある程度時間がたたないと解決しない問題なのだ。
 これに較べ外交問題は日常生活に直ちに影響するものではないが、国家と国民生活の基盤に関わるもので首相のリーダーシップが問われる課題なのだ。
 もっとも掲げる政策が良くても、国民が腹落ちするものでなくてはならないし、首相には内外への発信力も問われる。
 政治的理念とリーダーシップの両面から首相となる自民党総裁を選ぶべき時期なのである。




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人生で後悔を小さくする方法

2021年09月16日 | ライフプランニングファイル
 今書こうとしている本の仮題を決めました。
「シニアライフをスマートに生きる技術」です。
 スマートというと「おしゃれで洗練された」というイメージがありますが、「活発な」「賢明な」という意味もあります。スマートフォンのスマートは後者の意味です。
 私は「スマートなシニアライフ」を、活発でかつ洒脱で周りの人に好影響を与えるような生き方とざっくりとらえて話を進める予定です。
 私が考えるスマートなシニアライフの属性は次のようなものです。
  • 日常生活・モノゴトの判断・経済面で自立を維持している
  • 自分に納得して生きている。つまりやりたいことをやりながら生きている。
  • ボランティア活動などを通じて世の中に貢献していると感じることができる。
これらのことができるならば、人生の最後になって後悔することが少ないと言えると思います。
 私は人は後悔する生き物だと考えています。後悔があるから進歩があるのでしょう。
 私の好きな藤沢周平の「蝉しぐれ」の最後に主人公文四郎と幼馴染のお福が二十余年の歳月を経て再開する場面があります。
 殿様の側室に召し出されたお福は殿様の死後出家して尼になりますがその前に文四郎とある温泉の近くの料理屋でひと時を過ごします。
 「文四郎さんの御子が私の子で、私の子が文四郎さんの御子であるような道はなかったのでしょうか」といきなりお福は言いました。
 「それができなかったことを、それがし、生涯の悔いとしております」と文四郎。
「うれしい。でも、きっとこういうふうに終わるのですね。この世に悔いを持たぬ人などいないでしょうから。はかない世の中・・・・」とお福。
 私は藤沢周平の小説の一つのテーマが人は悔いを持ちながら、その悔いを少しでも埋めようとしながら生きていくことにあると考えていますが、「蝉しぐれ」の最後の場面はこのテーマを端的に表しています。
 話が脇にそれましたが、後悔に苛まれてストレスフルな人生を送ることは避けたいものです。後悔を少なくする方法は、思い立ったときに行動するということでしょう。
 文三郎に会いたいという手紙を送ったお福について藤沢周平はこう書いています。
「お福さまもやはり、助左衛門(文四郎)に会うのがこわかったはずである。事情はどうあれ、それで喪に服している元側室が忍んで男に会う事実が変わるわけはないのだ。」
 でも最後にお福は「これで、思い残すことはありません」といって文四郎と別れて迎えの籠に乗りました。
 リスクを取ってお福は思いを果たしたのです。
 複雑化した現在社会で自分の思いを実現していくには、幾つかの技術やそれを支えるリテラシー(読解力)が必要です。新しい本ではそのことを書いてみたいと考えています。

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