外貨送金を行っている人ならWiseを利用したことがあるかもしれない。以前トランスファーワイズと言っていた会社で今年前半にロンドン証券取引所に上場した。
そのWiseが顧客が預り金でブラックロックの iShares World Equity Index Fund に投資することができる仕組みを発足させた。
World Index Fundは世界の1,557の公開企業の株式に投資するファンドでアップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)など著名な企業の株式も含まれている。
Wiseの顧客は海外送金のために複数の通貨で資金をWiseに預けていることが多いが、この仕組みでは顧客は預け金の最大97%までを投資に回すことができる。つまりWiseに海外送金用のまたは海外から受け取った資金を預けながら、資産運用ができるという仕組みだ。
Wiseはまずイギリス国内でこの仕組みを運用して、その後欧州全域に広げる予定だ。
金融業界ではフィンテックを巡る競争が激しくなっているが、Wiseのビジネスモデルには学ぶべき点が多いと私は考えている。
それは「取り扱い商品をシンプルにして手数料を低く抑えることでシェアの拡大を図ろう」としている点だ。
今後取り扱いファンドを増やすかどうかは知らないが、株式投資の王道という点では世界の優良企業に投資するWorld Index Fundはコンセプトが明快だ。
私は地域別の資産配分などあまり意味がないと考えている。
消費者は良いものはどこの国のものであれ、簡単に買うことができる時代だ。その商品が花王製なのかプロクターアンドギャンブル製なのか気にせずに洗剤等を買っている人も多いのではないだろうか?
つまりどの国の会社か?ということよりその業界でどのようなポジションにいるか?という方が重要な訳だ。
話が脇にそれたが、Wiseは個人の外貨送金という分野で確固たる地位を築いた。それは仕組みがシンプルでユーザーの使い勝手が良いからだ。そしてそのプラットフォームの上にシンプルな資産運用サービスを乗せようとしている。
私はWiseの試みは成功すると思う。
フィンテックについては日本でも百花繚乱だが、大きく伸びるにはWiseから学ぶことは大きいと思った次第。