今週に入ってロシアによるウクライナの電力システム等インフラに対するミサイルやドローンによる攻撃が激しさを増している。プーチンはこれを「先週ウクライナによりキエフ大橋が爆破されたことにたいする報復」と位置付けている。
このウクライナのインフラなど非戦闘施設に対する攻撃は功を奏するのだろうか?つまりウクライナ国民や政府を怯えさせ、ウクライナ軍の反撃を足止めすることができるのだろうか?
これに対しCNBCはミュンヘン安全保障会議のクリストフ・ホイスゲン議長の「ロシアは崩壊の兆しを見せている」というコメントを紹介し、ロシアの崩壊が予想よりも早そうだと示唆する記事を発表していた。
私を含めて、多くの人はウクライナ支援側なので、この手のロシアの敗北を示唆する記事を鵜呑みにする傾向があることには注意する必要がある。
そのことを注意しながら記事の文脈から今後の流れを推測するとこのようなシナリオが浮かび上がってくる。
ウクライナに侵攻したロシア軍が武器弾薬不足や兵員不足で苦戦を続けることは間違いないだろう。プーチンは前線での苦戦をウクライナの非戦闘施設へのミサイル攻撃で対抗しているが、一つの問題は性能の高いミサイルがどれ位あるか?という在庫の問題だ。ミサイルの在庫は現時点での最高の機密なので分からないが、もしウクライナがアメリカやドイツから高性能防空システムの支援を受けて、ロシアのミサイル攻撃を耐え忍ぶことができるならば、やがてロシアのミサイルは枯渇する(新しいミサイルを製造する能力はない)。その時ロシアは戦略核の使用以外に反撃手段がなくなるだろう。
問題はそれまでに、プーチン政権の崩壊あるいはロシアの崩壊が起きるかどうかだろう。