一昨日(10月8日)にクリミア半島とロシアを結ぶクリミア大橋で爆発があり、人や物資の輸送に滞りがでているようだ。少し前にネットではウクライナがハイマースというロケット砲システムをゴムボートに積んでクリミア大橋を攻撃するという噂が流れたことがあったが、それはさすがに荒唐無稽な話で、今のところ実際は爆弾を仕掛けられたトラックが爆発したのではないか?という見方が多いようだ。
高機動ロケット砲システムのハイマースは、ウクライナの反撃を牽引しているが、さすがにウクライナの陣地からクリミア大橋を攻撃することはできない。
オデーサからクリミア大橋までの直線距離は500㎞弱で、ハイマースの最大射程距離300㎞をはるかに超えている(なお米軍がウクライナに供与しているロケット弾の射程距離は80km)。
ロシアの多連装ロケット砲は、GPSを搭載していないので精度がまるで違う。
WSJによると、ウクライナに侵攻しているロシア軍は1つの目標を攻撃するために1エーカーあたり数十発の砲弾を撃つ必要があるが、精度が高いハイマースは一発のロケット弾でこの仕事をこなすという。
GPS搭載の砲弾が威力を発揮しているのはハイマースだけではない。
M777155mm榴弾砲もGPS搭載のExcaliburという砲弾を撃つことができる。この榴弾砲は英国のメーカーが製作し、米軍が採用している。この砲弾はロケット弾なみの正確さで米国防省によると最大射程距離48㎞先に3メートル以内の精度で着弾できるそうだ。GPSを搭載していない砲弾の場合、砲弾は風などの影響を受けるので着弾精度は相当落ちる。
小回りのきくGPS誘導兵器を持っていないロシアの苦戦は続きそうだ。
つまり補充兵を前線に投入しても、武器の精度が低いと死傷者を増やすだけになる可能性が高い。
だが問題はそれから先にある。通常兵器では勝てないと悟ったロシアが戦術核の利用に走るか停戦に向かうか分からないからだ。