金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

リスキリング?学び直し?でも本当に必要なものは好奇心などのメンタリティだ

2022年10月13日 | うんちく・小ネタ
 少し前から「リスキリング」(働く人の学び直し)ということが言われている。最近では岸田首相がリスキリングを「新しい資本主義」の第一の柱にすると強調し、人への投資を5年間で1兆円にすると述べた。
 リスクリングというと新しいスキル~例えばプログラミングなど~の習得をイメージして語られることが多いだろう。
 だが中年以上の人に技術学習に関する教育機会を与えることだけでリスキリングは進むものだろうか?
 この点について私はかなり疑問に感じている。それは学習に対するモチベーションの問題や、好奇心などのメンタリティの問題が非常に重要だと考えるからだ。つまり「何のためにリスキリングするのか?」とか「リスキリングによって得られるものはなにか?」ということが明確でないと学習意欲がわかないし、学習成果も上がらない。
 私が考えるリスキリングの目的は、「技術を磨くことで新しい仕事に出会う可能性を高める」という一点に尽きる。この考え方は「計画的偶発性理論」を唱えたアメリカの社会学者クランボルツ博士の理論に基づいている。クランボルツ博士の理論は次のとおりだ。「キャリア(職業経歴)の8割は偶然に決まる。従ってキャリアを開発しようと思うなら、幸運に出会う機会を増やすとよい」というものだ。そして博士は幸運に出会う機会を増やすには「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心(リスクテイク)」が必要だと述べている。
 リスキリングによって新しい技術を身に着けたとしても、それだけで新しい職場で働ける訳ではないし、新しくビジネスを立ち上げることができる訳ではない。新しい環境への適応力を生む柔軟性や楽観性が必要なのだ。
 柔軟性や楽観性は天性の気質による部分もあるが、人生経験を通じて獲得する後天的な部分もあると私は考えている。
 ただ好奇心にしろ、柔軟性にしろこれらのメンタリティを身に着けるには、技術を学ぶよりはるかに長い時間と本気の取り組みが必要だ。
 そしてそれは本の上で学ぶものではなく、スポーツなど心身の活動を伴って学ぶことが多いと思う。
 結論を言おう。もし本当にリスキリングによって働くチャンスを拡大することを考えるなら、まず好奇心・冒険心・持続性などのメンタリティを高めることだ。それは若い時からの総合的な人生経験を経て身についていくものだ。だから若い時からチャレンジする習慣を身に着け、それを評価するような社会を作っていくことが大切なのだ。
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現場に権限のあるウクライナ軍がトップダウン型のロシア軍を翻弄している

2022年10月13日 | ニュース
 WSJに「ウクライナ軍の現場に権限を委ねた指揮命令系統と軽快な動きがトップダウン型で鈍重なロシア軍を翻弄している」という趣旨の記事がでていた。
 記事が注目しているのは、ウクライナの東部戦線と南部戦線の連係プレーだった。ウクライナの反撃を印象付けるのは、先月初めの東部ハリコフ州での領土奪回だった。しかし記事によるとその前にウクライナは南部のヘルソンへの攻撃を電信で伝えていてそれをしったロシア軍は数千名の優秀な部隊を東部から南部に
移動した。そこでウクライナは手薄になったハリコフに奇襲攻撃をかけてロシアに占領されていた領土を大きく取り戻したということだ。
 ロシア軍が大量の砲弾を一面にばら撒くような攻撃を仕掛けるのに対して、ウクライナ軍はハイマースのようなピンポイント攻撃型ミサイルを使って、ロシアの戦略拠点を機動的に攻撃している訳だ。
 機動的な攻撃は、ウクライナ軍が現場の下級将校にその場その場の判断で敵の弱点をつかみ素早く攻撃することを推奨しているから可能になったということができる。
 この話を読むと戊辰戦争の始まりとなった鳥羽伏見の戦いで3倍の兵力を持つ幕府軍が薩長軍に惨敗したことを思い出す。一般に幕府軍は古い火縄銃が多く薩長の新式銃に対抗できなかったという見方多い。しかし幕府軍に最新式の銃やそれを扱う訓練を受けた幕府軍歩兵がいたが指揮官が悪く活用できなかったということも敗北の原因に加えるべきだろう。
 また薩長軍とくに長州軍は、兵学者大村益次郎仕込みの散兵戦に慣れていたことも大きい。散兵戦とは歩兵が密集するのではなく、横に分散して機動的に相手を攻撃する陣形だ。散兵戦を行うには各兵士の高いモラールと判断力が必要となる。
 迅速で機動的な動きが、的確な現場の判断に左右されるとすれば、上意下達型の体制をとっている国や軍隊には難しいということができるのだろう。
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【全国旅行割】はエアライン系パッケージが予約しやすかったです。一例ですが。

2022年10月13日 | 旅行
 今月11日からスタートした全国旅行割。旅行会社の受付窓口には申込が殺到しているようで、はやくも希望する日時の航空券が得難くなっているようです。
 家内が11月に福岡に旅行するため、大手旅行会社で航空券+ホテルのパックを探したところ、ホテルは見つかるのですが、手頃なフライトが見つからず困っていました。そこでANAのダイナミックパッケージで航空券+ホテルを探したところ比較的簡単に見つかったようです。
 全国旅行割で新幹線や航空機とホテルがセットになったツアー商品を購入すると1日当たり最大8千円の補助を受けることができます。ツアー商品でない場合は補助金は最大5千円ですからパック型の人気が高い訳ですね。
 詳しい裏側の事情は分かりませんが、各旅行会社が確保している座席を超える申し込みが殺到しているためこのようなことが起きているのかもしれません。
 一つの事例ですべての状況を推し量るつもりはありませんが、全国旅行割を上手く利用するには、旅行者側でエージェントの特徴を見ながら工夫する必要がありそうですね。

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