自民党総裁選挙の告示が明日(9月17日)に迫った。昼の報道番組によると野田聖子幹事長代行も推薦人の確保に目途をつけ、出馬する予定というから、総裁選は、岸田氏、高市氏、河野氏、野田氏の4名で争われることになりそうだ。
マスコミには世論の声として「コロナにどう取り組むか?」が争点だという声が大きいが私は違うと考えている。
というのはコロナウイルスとの闘いは持久戦であり、誰が頑張っても抑制までには2年程度はかかりそうである。無論医療体制の整備で救える命の数は変わるかもしれないがそれは必ずしも首相のイニシアチブに関わるものではない。むしろ実務部隊の仕切り力の問題だと私は考えている。
この時期首相のイニシアチブがもっとも必要なのは、外交問題であろう。タイトルに「血を流さない戦争」と少々エキセントリックな言葉を持ってきたが、これは「戦争論」を書いたクラウゼビッツの言葉だ。
アメリカのアフガニスタン撤退、中国潜水艦の尖閣諸島接近、北朝鮮のミサイル発射実験など緊張はかってないほど高まっている。
文藝春秋10月号に塩野七生氏が「外交とは、血を流さない戦争のこと」の中で「これからは血を流さない戦勝を最重要目的にしなければならない」と述べ、次のことが重要だと述べていた。
① 他国の善意に期待して、などとは考えないこと
② アメリカ合衆国には頼り切らないこと
③ 軍事力を持つこと。一国だけで勝てるほどの軍事力はもたなくてもかまわない。だが、攻めてこられた当初にしろ迎え撃てる程度の軍事力は維持する必要がある。
④ 経済力と技術力の向上も忘れてはならない。
塩野さんの一文は菅首相が自民党総裁選不出馬発表前に書かれている。
つまり誰が総裁候補に立候補するか分からない時点で書かれたものだが、塩野さんの要求水準を一番満たしているのは、高市さんの政策だと私の目に映った。
国民目線からいうと、コロナは喫緊の課題だけれど早晩落ち着くものである。逆に言うとある程度時間がたたないと解決しない問題なのだ。
これに較べ外交問題は日常生活に直ちに影響するものではないが、国家と国民生活の基盤に関わるもので首相のリーダーシップが問われる課題なのだ。
もっとも掲げる政策が良くても、国民が腹落ちするものでなくてはならないし、首相には内外への発信力も問われる。
政治的理念とリーダーシップの両面から首相となる自民党総裁を選ぶべき時期なのである。
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