昨日(10月8日)発表された米国9月の非農業部門雇用者増は事前予想500千人に対し、194千人と大幅に下回った。
マーケットの動きについて見てきたような話をすれば、数字が発表された直後は、市場参加者は雇用が弱いので連銀はテーパ―リングを遅らせるのではないか?と考えたようだ。連銀の金融政策に過敏になっているナスダックが高く寄り付いたのはこのことを示している。
しかし次第に市場参加者は表面の数字ほど雇用統計は悪くないと考えたようだ。一つは8月の非農業部門雇用者増が235千人から366千人に上昇修正されたことだ。また9月の官民の内訳は政府関係で雇用が123千人減り、民間で317千人増えた。また失業率は事前予想5.1%に対し4.8%と低かった。これは2020年2月以降で一番低い失業率だった。失業率が低下した要因は、労働参加率が0.1%と若干ながら低下したことが大きかった。
これはコロナ変異株の影響で、職探しを躊躇した人が増えたことの影響が大きい。労働力の供給不足は賃金を押し上げ、9月の賃金は前年比4.6%上昇した。
これらの状況を総合的に判断すると「9月の雇用統計は連銀が予定通りテーパリングを開始するという姿勢を変化させるほど弱いものではない」という見方が支配的になり、金利上昇懸念から金利に敏感なナスダックは値を下げて終わったという訳だ。
一方ダウは0.03%のマイナスに留まった。
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