株式投資でディフェンシブといえば、景気循環に左右されにくい生活必需品などの銘柄を指す。伝統的にはこれらの銘柄は、上昇相場では上昇速度が遅いかわりに、下げ相場でも下落速度が緩やかであると考えられている。つまりベータが小さいのである。
ところが米国では今年の上昇相場で、この伝統と異なる現象が起きていた、とWSJの記事Defensive stocks won't shield investorsは語っている。記事によると、年初から5月21日(バーナンキショックの前日)までの、市場平均1S&Pの上昇率は17%で、ディフェンシブセクターの加重平均指数の上昇率は19.2%だった。また従来上昇速度が市場平均より高いと思われた景気敏感株指数の上昇率は16.4%にとどまった。ディフェンシブ銘柄は上昇度合いが大きかっただけ、下落割合も大きく、バーナンキショック以降3.9%下落。一方景気循環株の下落は3%だった。どうしてこういう奇妙な現象が起きたのかというと、多くの投資家が景気先行き懸念から、ディフェンシブ銘柄を集中的な買ったことから、ディフェンシブ銘柄が割高になったということのようだ。
ちょっと日本株について考えてみた。昨年10月末から昨日までの間に、日経平均は55%上昇している。この間に一般的にはディフェンシブ銘柄(消費必需品、ヘルスケア、通信、電気・ガスなど)の一つと思われる携帯電話については、ドコモの上昇率が31%強、ソフトバンクは130%、KDDIは55%だった。
海外M&Aやiphoneでシェアを伸ばすソフトバンクの勢いがドコモを圧倒するなど、同じ通信の中でもパフォーマンスの差は大きい。あるいは携帯電話を「通信」のカテゴリーでとらえることが視野を狭めるのだろうか?スマホで音楽を聞き、ゲームを楽しみ、本を読み、テレビも見る・・・時代を改めて考える必要があるのだろうか?
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