金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

荒れて始まる2015年の相場

2015年01月06日 | 株式

2015年の株式相場は荒れたスタートとなった。今日1月6日の日経平均は525.52ポイント(3.02%)下落して、16,883.19ポイントで引けた。朝テレビで「今日の相場予想」を見ていると、一時的には17,000ポイントを切るだろうが、その後盛り返す可能性もある、とあるエコノミストはコメントしていたが、希望的観測は見事に外れた。日本株の大幅下落は、昨日ニューヨークで株価が急落した地合いを引き継ぐものだが、ニューヨークダウやS&P500の下落幅が1.8%代だったのに比べて、6割以上も増幅した下落となり、日本株の相場を牽引する外国勢が弱気になり、売りに回っている様子がうかがえる。

米国株が急落した原因は、原油の急落やギリシア情勢が原因と言われる。原油は一時的に1バレル50ドルを割り込んだ。これは約5年半ぶりのこと。相場が悪くなってくると、投資家たちの眼には次々と悪材料が入ってくる。

CNBCのニュースを見ると、米国のmargin debt(証拠金債務)の水準は、GDP比率で見ると昨年末に大恐慌が起きた1929年以来の高水準になっている。年末のmargin debtのGDPに対する比率は2.91%だった。1958年以降のMargin debtの平均水準は1%で、これが2%を超えると危険水域と考えられているようだ。実際margin debt比率が2.5%近くまで上昇した2000年(ハイテクバブル)と2007年(住宅バブル)の後には大きな株価下落が起きている。

Margin debt比率から見ると、お金を借りて株式投資に勤しむ人が増えている現在の米国株式相場はバブルの様相を呈していると判断できそうだ。

株式相場は一般に半年ほど、相場を取り巻く外部要因を先読みすると言われている。今から半年後に予想される大きな出来事は米連銀の政策金利引上げだ。金利引上げは短期的には株式相場にマイナスに働くと考えられるので、投資家は株式へのexposureを減らそうと考える。この買い控えにより相場が下落し始めると、margin call(追証)を恐れる投機家が売り急ぐ可能性がある。売りが売りを呼んだ場合、かなり相場がかなり下落する可能性を否定できないだろう。売るとなると米国株だけではなく日本株も売られる。

今年の相場は~特に米連銀の金利引上げの影響が織り込まれるまでは~かなり荒れた展開になるだろう。易経は「「亢竜の悔い有り」と教える。昇りつめた龍は後は降るしかないという意味だ。上昇し続ける相場はない。必ずどこかでcorrection(水準訂正)と呼ばれる大幅(通常株価等価格の10%以上の下落をcorrectionという)な水準訂正が起きる。

問題はその後である。過去の米国株のヒストリーを見ていると大幅下落の後、5年程度で過去の水準を回復している。仮に株価が大きく下落するとして、そこを「買い場」と見るかどうかは、その人の相場観だけでなく、人生のステージ(どれ位長生きするか)をどう考えているかにも関わるだろう。

余程自分の予知能力に自信のある人以外はこのような時は「株と債券」をミックスしたバランスファンドを大事にして、株のウエイトを落としておいて大きな誤りはないと私は考えている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本橋七福神めぐり | トップ | 使えるEvernoteの自動振り分け »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

株式」カテゴリの最新記事