金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

政治家、特に首相経験者は発言を慎むべし

2010年09月26日 | 政治

尖閣問題に関して公務執行妨害容疑の中国船船長を釈放した政府の施策(政府は検察の独自判断と述べているがそのような訳はない)については内外のマスコミ・識者から色々な批判がある。政府の施策について私も意見を持っているが、今は敢えて声高に政府を批判しないでおこうと考えている。何故ならそのような政府批判は時として国益にマイナスになるからである。この点は国内のマスコミにも十分注意をして頂きたい。政府をたたいて読者の関心を買い発行部数を伸ばすことはビジネス上プラスだろうが、国益を大いに損なう可能性があることには十分留意していほしい。大手マスコミは第二次戦争当時政府に迎合して国民を戦争に煽ったことを忘れてはいけない。

だがもっとも注意が必要なのは政治家特に首相経験者の軽率な発言である。新聞によると鳩山前首相は「尖閣諸島問題に関し自分が首相でれば温家宝首相とダイレクトに話をして問題の解決にあたることができた」という趣旨の発言をしている。だがこれ程馬鹿げて危険な発言はないのである。

一国の政治体制の堅固さは関係諸国、わけても利害関係が対立する中国が注目しているところだ。与党である民主党の前首相が現職の首相を批判するような発言が中国を含む諸外国に聞こえると~すでに聞こえていると思うが~、彼らは更に日本の政治体制の弱い部分をついてくるだろう。

そもそも一国の政治を宰る地位にあった人間がその後任者を特に外交政策において軽々に批判するようなことは成熟した国家で起きることなのだろうか?

例えば小泉元首相は公然と彼の後継者である安倍氏や麻生氏を批判していただろうか?

ブッシュ前大統領は公然とオバマ大統領を批判しているだろうか?

読者諸氏は「韓国では大統領を辞めると次の政権下では訴追される」ということを想起するかもしれない。それは残念ながら韓国の政治が未だ成熟していないことの証である。だが成熟した国家においては前首相(前大統領)が現職の外交を軽々に批判するようなことは厳に慎むべきである。

鳩山前首相に限っていえば、彼は温家宝首相とダイレクトに話すホットラインを持っていたかもしれない。だが仮にホットラインを持っていたとしても大事なことは話す内容である。鳩山前首相は尖閣諸島の日本の領有権の正当性について良く分かっていなかった。もし彼のような人間が温家宝首相とホットラインで話をすれば更なる譲歩を与えたのではないだろうか?

私は中国船長釈放に関する今回の菅政権の判断を無条件に支持するものではない(もう少し分析してから判断を下したい)が、慎重に評価を下すべきだと考えている。少なくとも外交的影響を考えると軽々に政局にするべきではないと考えている。

中国は日本の頻繁な首相交替の弱点や日米関係のきしみを突いてきているのであり、それを助長するような言動を慎むのが政治家の責務ではないだろうか?これを政局にしようなどと考えるのは、利敵行為と言わざるを得ない。

そもそも日米間にきしみを招いたのは鳩山前首相や小沢前幹事長の思慮を欠く発言であることを考えると、鳩山前首相が「自分であれば温家宝首相と話ができる」などと発言することは無責任の極みという他ないのである。

このようなLoopyは別として今の政治家に求められることは、国益を守ることにもっと慎重になるべしということだろう。

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曼珠沙華と観音様巡り(その2)

2010年09月26日 | まち歩き

巾着田から25分程歩いて第27番勝音寺に着いた。

Shouonji

立派な本堂であるが扉が閉まっていた。庫裏に回り御朱印を頂くべく呼び鈴を押すが返事なし。お留守だった。今までお参りした全寺院で朱印を頂いているので一つでも抜けるのは残念だが当面致し方ない。

次に26番聖天院に向かう。

Shoudenin

ここはもの凄く大きなお寺で見上げるような山門である。7世紀に唐・新羅により滅ぼされた高句麗の後裔はこの地域に移植された。聖天院は高麗一族の菩提寺である。出世開運にご利益があり参詣者が多いということだが、境内の規模と手入れの良さには感心した。ついでにいうと武蔵野三十三観音を半分程回ったが拝観料(300円)を取るのはこの聖天院だけだった(もっとも拝観料を払う値打ちはあると思う)。

Shoudenin2

聖天院の庭先に白い曼珠沙華が咲いていた。

Siromanjyu

聖天院から5分ほど歩くと高麗神社がある。ここはこの地域を開発した高麗王若光を主祭神とする立派な神社だ。

8世紀初め高句麗人の後裔が関東地方に移住し開発を進めた中の中心人物が若光ということだが私は詳しくないので説明はこのあたりでお終いにする。ただし機会があればこのことはもう少し調べてみたいことの一つだ。

さて高麗神社から20分歩いて「番外」の霊厳寺に到着。今日最後の観音様である。

Reigenji

そこから更に20分程歩いてJR八高線高麗川駅に到着。駅についてたのは12時半。腹が減っていたが手頃な店がないのでコンビニでオニギリを買い昼飯とした。

ワイフの万歩計によると今日は2万歩約10km歩いたことになる。空気が乾いていて清々しいハイキング日和の一日を楽しむことができた。

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曼珠沙華と観音様巡り(その1)

2010年09月26日 | まち歩き

9月最後の日曜日(26日)ワイフと西武線高麗周辺の観音様巡りに出かけた。高麗はこの時期巾着田の曼珠沙華で有名だ。西武秩父行のレッドアロー号もこの時期は高麗に停車する。

9時20分武蔵野三十三観音28番目の瀧泉寺に向けて国道299号沿いに歩き始めた。横手の方に約20分歩いて瀧泉寺到着。

Ryuusenji1

Ryusennji2

大きなお寺だが正面に国道が迫っているので前方からの全景は撮りにくい。植え込みの中の小さなお地蔵様が可愛らしい。

庫裏の前にホトトギスが咲いていた。猛暑のためか少し花が小さいようだ。

Hototogisu

往路を少し戻り清流・高麗川沿いの道を辿り、巾着田の横に出た。武蔵野三十三観音巡りをしている人には数名すれ違っただけだが、こちらは電車で来た徒歩の人、観光バス、マイカーが錯綜し大変な混雑ぶりだ。

巾着田の曼珠沙華を見るには入場料200円が必要だ。巾着田の曼珠沙華は昔見たことがあるので、今回は入り口の花を眺めて立ち去ることにした。なにせ観音巡りの先はまだ遠いのである。

Mannjyushage1

これはノーマルに撮影した曼珠沙華。花の向こうに高麗川が見える。高麗川に向けて望遠レンズを伸ばししている人がいた。恐らくカワセミの写真を狙っているのだろう。巾着田から次の三十三観音・勝音寺に向かう道には「カワセミ街道」という愛称がついている。

アートフィルターを使って遊んでみた。次の写真はポップアートで撮影した曼珠沙華だ。

Manjyushagepop

少し毒々しい。次の写真はデイライトというアートフィルターで撮影したもの。頼りない感じ。

Manjyushagelight

「風を浴びきりきり舞の曼珠沙華抱きたさはときに逢いたさを越ゆ」歌人・吉川宏志の代表的な作品である。

歌人が炎のような曼珠沙華の凝視するとこのような歌が生まれるのだろう。しかし私は人混みを敬遠して早々と巾着田を後にしてカワセミ街道を東に進んだ。

続きは「曼珠沙華と観音様巡り~その2~で・・・・

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武蔵野三十三観音巡り再開

2010年09月26日 | まち歩き

6月中頃からワイフと武蔵野三十三観音巡りを始めた。これは西武線沿線の観音様をお参りするもので、1日4,5寺を8kmから10km程度歩きながら回るというものだ。

前回練馬から清瀬にかけて回る予定だったが、石神井の三宝寺で暑さのため中止して、清瀬の全龍寺が残っていた。

昨日の午前中その全龍寺を訪れた。小雨交じりなので例外的にマイカーで出かける。

全龍寺では駐車場がとても広いのが印象に残った。立派な斎場を持っているので駐車場が必要なのだろう。

送信者 武蔵野観音

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中国のレアアース輸出ブロックの影響

2010年09月24日 | 国際・政治

尖閣諸島を巡る日中の動きは米英でも注目を集めている。中でもニューヨーク・タイムズの読者が一番注目したのは「中国が日本向けのレアアース輸出を差し止めている」というニュースだ。このニュースが多くの読者の関心を集めたのは、武器等軍用資材の重要な材料であるレアアースの供給問題が国防にかかわるからだ。記事China is bloking Minerals, Executives sayによると、「中国商務省は木曜日レアアースの日本向け輸出を差し止めていたことを否定した。しかし業界幹部は中国の工場は中国の税関が今週初めに輸出を差し止めた後、まだ出荷していないと述べている」

記事によると中国、日本、北米の業界幹部、アナリスト、トレーダー8名は「中国は中国漁船船長の拘留を巡る外交論争に呼応して中国は火曜日にレアアースの出荷を差し止めたと述べている。中国政府が正式にレアアースの日本向け出荷を差し止めたとなると、日本はWTOに「自由貿易ルール違反」で提訴することができるが、税関による管理上の理由で出荷が差し止められているとなると提訴はかなり難しい。中国は今週水曜日から金曜日まで秋分の祝日。土曜日以降も出荷停止が続くかどうかは分からないが、日本のトレーダーは出荷停止が続くと代替輸入先を見つけることは極めて困難だと述べている。

中国は全世界のレアーアース産出量の93%を占める(そしてそのレアアースの大半はチベットにある)ので、中国はレアアースを外交交渉のレバレッジに使うことが可能と見ている訳だ。ただしレアアースを含む合金の輸出は差し止めていないので、中国はこの機会に原材料としてのレアアースの輸出を抑え、より付加価値の高い合金の輸出を伸ばそうとしているという見方もできそうだ。

日本は中国からレアアースを輸入し、その加工品である磁石等を米国に出荷している(米国は競争力を失い20年前に業界が廃業した)。

ところでレアアースは戦車の距離計や軍艦のソナーシステムにも利用されている。もし中国の日本向けレアアースの出荷停止が長期間にわたると米国は国防上の観点から独自でレアアース資源の確保を検討することもありそうだ。

レアアースを大量に埋蔵するチベットに対して強い支配権を維持しようとすることや、尖閣諸島に対して執拗に領有権を主張することを重ねると中国の天然資源確保に対する強い野望が見えてくる。

かって鄧小平は「中東は原油を持っている。しかし中国はレアアースを持っている」と述べたと言われている。だが中国は今まで中東が原油を政治的武器として輸出制限を行ったようにレアアースを武器に使うことはなかった。

だが今後中国が海洋面で覇権拡大を目指す時、レアアースを政治的・経済的武器として使わないという保証はない。少なくとも今回の出来事はそのようなことがありうるという警鐘は鳴らしたといえよう。

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