金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Sunset is as beautiful as sunrise

2018年01月23日 | ライフプランニングファイル

明日某所のセミナーで話をする予定だ。テーマは相続だけれど、高齢問題にも言及する。ジェロントロジー(老年学)について深く勉強したことはないが、一言でその理念を述べるとSunset is as beautiful as sunrise(日没も日の出と同様に美しい)ということだろう。

写真はポカラのフェワ湖畔で夕方に撮った聖なる山マチャプチャレの写真である。山の写真は光が弱い早朝か夕暮れ時に限る。

日中は太陽の光が強く、山が平板に見えるからだ。朝夕の斜めの光は山襞をくっきり浮かび上がらせ、山に立体感を与える。

ひょっとすると人生も似ているかもしれない。組織の階段を脚光を浴びながら駆け上る姿は勇ましいが人物に陰影が乏しい。

その人物が本当に美しいかどうかは黄昏時に分かるのかもしれないなどという話をしてみようと考えている。

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美しい雪の朝

2018年01月23日 | うんちく・小ネタ
昨日1月22日関東地方にしっかりした雪が降った。テレビでは大雪、と言っているが雪国基準では可愛らしいものだろう。
とは言え小学校の前の我が家では児童の登校に備えて早朝から雪かき。校庭を見ると朝もやが立ち美しい。
雪かきに出てきた近所の人と挨拶をかわす。たまの雪は景色も心も美しくする。
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アメリカ人が感じている最大の問題は「移民」ではなく「政府への不満」なのだが・・

2018年01月21日 | 国際・政治

先週米国の上院でつなぎ予算法案が否決されたことで、昨日午前0時から一部の連邦政府機関が閉鎖に追い込まれた。

ただその影響についてはマスコミの報じ方により読み手のイメージはかなり変わりそうだ。日経新聞(1月21日)朝刊のタイトルは「米、週明け混乱の恐れ 政府機関閉鎖」である。WSJ日本語版は「米政府機関閉鎖、業務の大半は継続へ 社会保障給付、ロシア捜査も」である。

つまり閉鎖される業務に着目するか?継続する業務に着目するか?でイメージが変わる。これはコップの中に半分残っている水をみて「半分しかない」と判断するのか「半分も残っている」と判断するかというテーマと共通しているかもしれない。

つなぎ法案が否決された原因は共和党と民主党の移民政策を巡る対立だ。

だが移民問題がアメリカ人全体の最大の関心事かどうかというと、実はそうではないようだ。

ギャラップが今月初めに行った世論調査「この国が今日直面している最も重要な問題は何だと思いますか?」の一番の回答は、政府に対する不満で25%を占めた。

2番目が移民問題で8%ただしほぼ同率で人種問題(7%)医療保険(6%)国の統合(5%)が続きている。

議会での共和党・民主党の争いは責任のなすり合いの様相を呈している。多くのアメリカ人は妥協点を見出し、連邦政府機関が閉鎖に追い込まれる事態は避けて欲しいと思っているのだが・・・

何時議会が妥協点を見出すかは分からないがはっきりしていることは次の世論調査で政府に対する不満度が高まることだけは間違いないだろう。

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相続学とジェロントロジー(老年学)

2018年01月21日 | 相続

今週は週半ばに某所で「相続学の学問領域」という話をすることになっている。学問とは余り縁のない私が「学問領域」などと大袈裟なタイトルで話をするのは随分夜郎自大なことだと少々自分でも呆れている。

それにそもそも「相続学」などという学問分野があるのか?という基本的な疑問がある。巷間〇〇学などというタイトルで本が出版されることも多いが、〇〇学の「学」は「知恵」とか「ノウハウ」程度の意味で使われていることが多い。本当の学問となると「ある問題を解決するための体形的な理論」ということだろうから「体系」が必要であろう。「相続学」にこの体系~つまり骨格のようなものが備わるかどうかは今後の専門家の努力にかかわっているのかもしれない。

ところで相続が一般的にある程度の財産を持った高齢者の問題であるとすれば、より一般的に高齢者の問題を考えるジェロントロジーという学問分野がある。日本語では「老年学」「加齢学」というそうだが、老年・加齢というとややマイナスのイメージを伴うようでジェロントロジーGerontologyという英語がそのまま使われることが多いようだ。

数日前の日経新聞には野村證券の水野晋一執行役員の「野村証券は『ファイナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)に注目している」という言葉が出ていたがこれもその一例だろう。

ジェロントロジーというのは1970年頃から米国で飛躍的に発達した学問分野で今では本当の学問分野として確立しているそうである。

ジェロントロジーが目指すところは恐らく「よりよい老後を迎え人生を活き切る」ことにあると私は考えている。

仮にそうだとすると、このような考え方は昔から日本にあった。典型的な言葉としては江戸後期の儒学者・佐藤一斎に次の言葉がある。

「少(わか)くして学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老にして学べば、則ち死して朽ちず」(言志晩録)

中年時代に勉学に励めば老年になっても衰えることはない、老年になってもなお学び続けると死んでもその名は朽ちないということだろう。

また佐藤一斎は「血気には老少ありて、士気には老少なし」とも述べている。つまり学ぼうとする心意気に年齢による差はないということだ。

よりよい老後を送る一つの方法はチャレンジを続けることではないだろうか?寿命には色々な寿命がある。一番一般的なのは「肉体の寿命」だが最近では「健康寿命」ということも注目されている。ファイナンシャル・ジェロントロジーでは「資産寿命」を伸ばすということが命題になっている。加えて私は「好奇心寿命」とか「チャレンジ寿命」というものがあると考えている。そして「好奇心寿命」や「チャレンジ寿命」が「健康寿命」や「資産寿命」を伸ばすエネルギー源だろうと考えている。

さて相続の目的は何か?というとこれは人よって色々意見が分かれるところだが私は「自分が残す財産に自分の思いを伝える」ことだと考えている。キーワードは「思い」=志と「財産」である。財産だけあって志がない、あるいは志を伝える方法が欠けている場合は「思い」は伝わらない。そして悪い場合は相続人間の争いを招く。

相続学が学問分野になるかどうかは根本にこのような哲学を据えることができるかどうかにかかっていると思うのだが、果たしてその思いがセミナーで伝わるかどうかは分からない・・・・

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アマゾン第2本社20都市に絞り込み~期待される乗数効果

2018年01月19日 | うんちく・小ネタ

昨日(1月18日)アマゾンは第2本社の候補地をカナダのトロントを含む北米20都市・地域に絞り込んだと発表した。この記事は日経新聞にも出ているので、細かい説明は省略する。

アマゾンは年収10万ドル以上の従業員を5万人雇用し、約20年間で50億ドルを投資すると言っているから、238の自治体が誘致合戦に参加してきた。

だが着目するべきはアマゾンの直接効果だけではなく、アマゾンの本社が来ることによる地域経済に与える乗数効果なのだ。

アマゾンが発表している情報によると、アマゾンの本社(シアトル)による直接効果は4万人の従業員、年間23.3万人のホテル宿泊者の創出(2016年)、市営公共交通機関の運賃43百万ドルなどだ。

一方アマゾンは間接効果として「2010年から2016年の間にアマゾンの投資が地域経済に380億ドルの追加投資を生んだ。これはアマゾンの1ドルの投資が地域経済に1.4ドルの投資を創出したことになる」と述べている。

またアマゾンは同期間に5.3万人の非アマゾンの雇用を創出したとも述べている。

またエンジニア・開発系のフォーチュン500企業が2010年の7社から2017年には37社に増えたと述べている。

これらが乗数効果と呼ばれるものだ。アマゾンのように給料の高い企業の従業員は外食・レジャー・フィットネス等への支出割合が大きい。そのためサービス産業で大きな雇用が創出されるのだ。

またハイテク企業は高いスキルや知能を持つ人材を必要とするので、ハイスキルの人材が大量に集まる。そしてハイテク企業が増えてくる。

アメリカの都市経済学者エンリコ・モレッティは「私の研究によれば、都市にハイテク関連の雇用が一つ創出されると、最終的にはその都市の非ハイテク部門で5つの雇用が生まれる」と述べている。

アマゾンが生み出した非アマゾンの雇用の内どれだけが「非ハイテク部門」なのかは明らかでないので、モレッティの学説が正しいかどうかは検証できない。しかしアマゾンの乗数効果が相当大きいことは間違いがない。

情報化時代の都市開発や地域活性化は、このような乗数効果の高い企業を取り込めるかどうかにかかっているのである。

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