金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ママカリよりは鱧が美味、岡山での独酌

2018年08月09日 | 旅行記
岡山の泊まりはホテルグランヴィア。明日(8月10日)の朝の集合場所が岡山駅なので、このホテルを選んだ。
明日から備中松山城経由大山、蒜山と歩く予定なのだ。
所用で仲間より先にきたので、今日は独り飲みである。
昨日から風邪気味なので、できるだけ近くて手頃な所を選ぶ。
インターネットを見ると駅ビル内の「旬すけ」の評価が高かったので高校野球終了後出かけた。6時過ぎだったが、広い店は7割位埋まっていた。
地ビールとつまみにママカリの酢漬けや鱧の天ぷらを頼んだ。
岡山の名物と言うとママカリ。隣からママ(ご飯)を借りて食べたくなる程美味だから、ママカリと言うそうだ。
たが今日は少し油っぽいような気がして魅力を感じなかった。微熱があったので、味覚が少し狂っていたかもしれないが。
私には鱧の天ぷらの方がはるかに美味だった。
なおママカリは対岸の四国では猫またぎと呼ばれているという話を聞いたことがある。猫も食べずにまたいで通るほど不味いと言う悪口だ。
さすがに言い過ぎだ、と思うが岡山の独酌の夜の私の軍配は鱧に上がった。
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「好奇心と経済」角田光代さんのエッセーを読んで

2018年08月07日 | 本と雑誌

角田光代さんのエッセーを読むことが多い。

そもそも私は小説よりエッセーを読む方が多い。理由はエッセーは電車の中などのすきま時間を使って読むことができるからだ。

角田さんのエッセーは日常の出来事や彼女の経験を出発点として話が展開していくので、うんうんと読み進むことができるので気持ちが良い。

最近「世界中で迷子になって」(小学館文庫)の中の「好奇心と経済」というエッセーを読んだ。

話はホームベーカリーを使い始めた角田さんが、ふと経済に思いを馳せ、経済が潤滑に回るシステムというのは好奇心が起点になって、欲しいものを買うようになり、買ったものからまた世界が広がっていくのだろうと考察する。

そして「不景気というものがあんまり長引くと、それは私たちから好奇心をじわじわ奪っていくのではなかろうか」と述べる。

また角田さんは「好奇心が発端で物欲が開花し、その物欲のままに何かを購入する、ということだけが、善きことだとは私は決して思っていない。そうではなくて、それがお金で買えるものであろうとなかろうと、今までは存在しなかった扉を持つことは私たちには重要であるなと思うのだ。」と結論付ける。

現在の日本経済は統計的には好況期である。だが必ずしも消費活動は活発にはならず、おかげで物価上昇率もアメリカなどに較べると極めて低い。

角田仮説が正しいとすれば、日本人全体の好奇心のレベルが低下しているから消費活動もあまり活発にはならない(あくまでも平均の話である。旅行等にお金を投じている人も多い)と考察することができる。

仮に日本人の好奇心のレベルが低下しているとすればその原因は何だろうか?

私は二つの仮説を考えてみた。一つは高齢化が進んでいることである。よかれあしかれ個人差はあるにしろ、歳とともに人の好奇心のレベルは低下する。

もう一つの原因はスマートフォンやPCによるバーチャルな世界が拡大したことだ。バーチャルに色々なことを経験できるから、新しい世界に実体験を求めることが減っている。

バーチャルな体験を踏み台にして、未知のリアルな世界に飛び出すという選択肢もあるのだが、どうもこれは少数派のようだ。

わくわくするようなリアルな世界やチャレンジングな体験を提供するような企画を増やすこと~大人もシニア層も参加できるような~が経済を潤滑に回す方法なのだろう。

角田さんの仮説を敷衍すると私の考えはこのようになった。

 

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女性と高齢者の労働市場参加が賃金上昇抑制の一因~日銀展望レポート~

2018年08月02日 | 英語・経済

WSJは今週発表された日銀の展望レポートの中のある分析を紹介していた。

それは「労働需給がタイトなのに賃金があまり上昇しないのは、女性とシニア層が比較的低い賃金で労働市場に参入し続けているからだ」という意見だ。

労働需給がタイトなのにあまり賃金が上昇しないという従来の経済理論に反する現象に日銀はこれまで色々な説明を加えてきたが、また一つ解釈を付け加えた(というかこのことは広く知られていたと思うが・・・)。

65歳以上のシニア層で働いている人の数は過去10年間で約3百万人増え8百万人に達している。

女性労働者は過去10年で約2百万人増え2017年にはほぼ3千万人に達している。

人材不足に直面する多くの企業は、女性やシニア層をフレキシブルな勤務形態や短い労働時間で雇用することで人件費を抑えながら働き手を確保している。

このバッファーがあるので、労働需給がタイトになっても大きな賃上げ圧力につながらないというのがレポートの見解だ。

この見解が正しいとすれば、シニア層や女性の潜在的な労働力の供給が続いている間は賃金は中々上昇せず、人件費が抑えられているので物価も上がりにくいということになる。

日銀としては忌々しいかもしれないが、実はハッピーな話だろう。

たとえばシニア層は働くことで社会的つながりを維持し、それが健康促進につながる。それは国の社会保険料負担を抑制し、悪化を続ける国家財政を少しでも緩和するからだ。

また家族の中で働く人が増えると消費支出が増え、景気が拡大する。働く人が増えると良いことが多いのである。

 

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消費者金融・英語学校・サプリメント、思考停止を招く3つの要注意広告

2018年08月01日 | うんちく・小ネタ

山手線に乗っているとワイドスクリーンに、複数の消費者金融と複数の英語学校のコマーシャルが交互に流れていた。時々ビール会社の広告を交えて。

いずれも若い人をターゲットにした広告である。むろんこれらの広告は「景品表示法」でいう誇大広告には該当しないが、私はある種の落とし穴を持った商品を広告していると感じた。

たとえば消費者金融会社の広告には「30日間無利息(初回のみ)」という文字が躍っている。最初の30日借入が無利息であることは間違いないだろうが、ここで思考停止をしてはいけないだろう。1回限りの利用なら30日無利息を使ってもよいが、反復して利用するなら絶対的に金利が低い会社を選ぶ方が良い。できれば三菱UFJ銀行カードローンなど銀行系のカードローンを選ぶべきだ。

英語学校の広告も「学校に通うと英語が上達する」という短絡的発想を惹起するので要注意な広告だと私は考えている。

私が周りの人を見てきたところでは、具体的目標を持たずに英語学校に通って英語が上達した人はいない。逆に具体的目標を持っている人の中には上達した人もいたが。

つまり大事なのは具体的目標である。具体的目標の代表例は海外赴任だろう。この場合は自分の生活に直接影響を及ぼすので真剣に勉強する訳だ。

だが東京オリンピックで外国人観光客が増えるから英語で話をする機会があるだろう、という程度の気持ちで勉強しても英語は上達しないと私は考えている。

最後にサプリメント。これはシニア層をターゲットにしているから、車内広告ではなく新聞の紙面を飾ることが多い。

これも気休めではないだろうか?もっとも薬にはブラセボ効果(偽薬効果)があり、効能のない薬を飲んでも病気が治ることがあるそうだから、サプリメントにも気休め以上の効果があるかもしれない。

ただ医学的には軟骨の成分であるコンドロイチンを口から飲んでも軟骨が形成され膝痛が治るということはないと医師は言っている。

これらの広告は効能を過大に喧伝していない(しないように注意している)ので誇大広告には該当しないが、ゾーンぎりぎりのくせ玉であると私は感じている。

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証券、柱の個人部門失速、個人の低コスト指向なら歓迎

2018年08月01日 | 投資

日経新聞(8月1日)に「証券会社4-6月の個人営業部門の収益に急ブレーキがかかっている」という記事がでていた。

膠着相場で個別株の売買が細っている上、コスト意識に目覚めた個人投資家が信託報酬が低いインデックス運用にシフトしていることが原因のようだ。

個人投資家がコスト意識に目覚めETF(上場型投信)などインデックス運用に向かうことは正しい資産運用の方向であり歓迎するべきいことである。

現在の日本の長期金利は0%から0.1%程度。資産運用の長期目標利回りは長期金利+アルファだ。アルファは株式運用で叩き出すが、精々2~3%である。

つまり超低金利下では金融資産を3%程度で運用できると御の字なのである(もちろんこれより高いリターンを上げる人もいるがそれは幸運の賜物でしかない)。

絶対的な利回りが低いので、信託報酬や販売手数料の投資リターンに占める比率は高くなる。

現在はリターンを求める攻めの時代ではなく、コストを抑える守りの時代なのだ。

こんな中でやってはいけないのが、テーマ型投信への投資だ。

もっとも言うは易く行うは難しだる。

やってはいけないことは百も承知しているが、それでも面白いと思って買った「ロボテクスファンド」(AI関連企業に投資するファンド)で私も苦い思いをしている。徹底的にパフォーマンスが悪いとすぐ損切りして他の投資に切り替えるのだが、水面から顔を出したり少し沈んだりしているのでついつい保有を続けている。

このようなパフォーマンスの良くないアクティブファンドは運用会社に運用報酬を払っているだけなので、手じまいするべきなのだ。

だが厄介なことに人間には失敗を認めたくない「認知バイアス」がある。心理学ではsunk cost (埋没費用)biasと呼ぶそうだ。

バイアスのないロボットならさっさと手じまいができるのだろう。ロボテクスファンドならぬロボット運用ファンドを買うべきだったのかもしれない(笑)。

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