市の文化会館展示室で開かれている「河野通勢展~その描写と想像の世界~」を観ました。
「通勢」は「みちせい」と読むのが普通だそうです。大正・昭和(戦前)にかけての画家・挿絵画家。
白樺派や「新しき村」などを通じて武者小路実篤との交流が深かったそうで、この展覧会も市内にある武者小路実篤記念館の移動展という位置づけになっています。
これまで興味をもったことのなかった画家ですが、武者小路や白井喬二などの小説の挿絵や本の装丁でも活躍していて、文学史的にもかなり重要な人のようです。キリスト教を題材とした作品が多い一方、時代小説の挿絵でも達者な筆をふるっています。その取り合わせに不思議なものを感じました。
ただ、観てて最も圧倒されたのは、若い時に描いたという風景画。ご自身が育った長野の自然をテーマにしたものが多いのですが、とりわけ植物の激しい生命力を写し取ったタッチに驚きました。これは凄い。
主要作品は、ご子息がWeb上に開設している「河野通勢ギャラリー」で観ることができます。