金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

穏やかな正月

2007年01月03日 | うんちく・小ネタ

間もなく正月の三が日が終わるが、今年の正月は何時になく穏やかな正月だった。天気が良く温かかったので、車を使わずに徒歩や自転車、電車で外出していた。正月に車を使わなかったのは何年振りだろうか?記憶にないがここ20年位で初めてかもしれない。車を使わないというのも何となくエコな気分がして良いものだ。

郷里の九州に帰ったY先輩の年賀状には彼が昨年、日経俳壇に入選した「あたたかき 雨ふる夜を 妻一人」という句が書いてあった。

しっとりとした良い句でしかも何か裏にストーリーがあるような気がするがそれは考え過ぎだろうか?

私も今年は俳句などひねってみたいと思うが中々取っ掛かりがなくて大変だ。取りあえず年末に買った「えんぴつでなぞり書き 俳句百選」の新年の句を何句か書いてみた。

うちはれて障子も白し初日影 上島鬼貫

我が家の二階も日当りが良くこの正月は日中暖房を点けずに過ごすことも多かった。天気が良いので家族も比較的穏やかに談笑して過ごすことができた様だ。今年の目標という程大袈裟なものではないが、今年は家族・友人・仕事の仲間達で出来るだけ穏やかに接して優しい雰囲気を大事にしたいと思う。仏語ではこれを和顔施というらしい。

腹が立つことがあったらまず「和顔施」「和顔施」と心の中でつぶやいくことを今年の一つの目標にしてみよう。

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地域金融機関に生き残りの道はあるのか?

2007年01月03日 | 英語

正月早々少し刺激的なタイトルを付けたが、これは年末のエコノミスト誌に出ていた記事によるものでアメリカの金融機関の話だ。しかしアメリカで起きたことが5年か10年位して日本で起きていることを考えると決して他人事ではない。記事のポイントはこうだ。

  • 米国の貯蓄金融機関の95%はコミュニティバンクである。連峰預金保険機構によれば90%の金融機関は資産残高が10億ドル以下である。因みに1984年には資産残高10億ドル以下の金融機関が全金融機関の資産残高に占める割合は28%であったが、2003年にはシェアは14%に低下している。
  • 1990年代以降銀行における規模の利益が明確になっている。これは主に技術革新のせいだ。地方銀行は大手銀行に手数料と貸出金利を奪われ、又預金防衛のために高い金利の支払や広告宣伝費の支払を強いられている。
  • また最近の研究によると地方だけを営業基盤とする地域金融機関の方が都心部を営業基盤とする地域金融機関より、大手金融機関の影響を受け被害が大きかった。これは地方市場の方が集中的でそれまで高い利益を得ていたことによると分析される。攻め込んでくる大手金融機関は地元金融機関の非金利収入を奪うと共に不良債権比率を高めさせる。大手金融機関は最も安全性の高い借り手のみつまみ食いをするからである。

これは今日本で起きていることと殆ど同じようなことだろう。ところで「つまみ食い」は英語でCherry pickである。チェリー ピッキングは特売品だけを狙って買う人をチェリー ピッカーという様に余り良い使われ方をしないことが多い。また保険会社が優良ドライバーに限ってのみ保険を提供する様な行為もチェリー ピッキングと言われて禁止されている。エコノミスト誌が大手銀行の貸出姿勢をチェリーピックと揶揄しているのはこういう背景がある。

エコノミスト誌は「アメリカの小さな地方銀行は死に絶えることはないだろうが、彼らの事業は以前に比べるとはるかに楽ではなくなる」と結論付ける。冒頭でアメリカで起きたことは5年か10年後に日本で起きると述べたが、グローバリゼーションの進展とあらゆる業界における競争の激化、情報技術の進展はこのタイムラグを縮めるだろう。ここ1,2年の間に日本でも地域金融機関の合併が加速するかもしれない。

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