1月2日ワイフと武蔵野市商工会議所主催の七福神巡りに出かけた。東京には10数ヶ所の七福神巡りのコースがあるが、このコースはかなり今出来である。武蔵野七福神というと所沢を中心とする別コースになるのでこのコースは武蔵野吉祥七福神と言わなければならない。
七福神巡りがさかんになったのは、江戸時代後期。私の推測だが正月に美酒美食を楽しんだ文人や商人たちが健康のため散歩をすることを思い立ち七福神をダシに使ったのではないか?と考えている。そういう意味で七福神は平和と飽食の産物なのである。
ともあれ私達はJR武蔵境駅に近い杵築大社の中にある恵比寿様からスタートする。2千円を払い色紙(7つの神様の朱印代込み)とバスの一日乗車券を貰った。下の写真は7ヶ所回って御朱印を集めた完成図だ。
このコースの神様の像は新しいものが多い。どうもにわか作りの気がする。その一例が延命寺にある毘沙門様の像だ。
毘沙門様は単独でも相場を張ることが出来る信者の多い神様だ。そのルーツはギリシアのヘラクレス神にまでつながっている。七福神の神様には日本古来の神様に加えインド伝来の神様や中国の仙人につながるものまで起源は様々だ。この多様性・大らかさが日本的でとてもよいと私は思う。
七福神巡りは伝統的な初詣と競合することもある。その例は武蔵野八幡宮、ここは坂上田村麻呂が宇佐八幡宮の御分霊を祭ったという由緒ある神社なので境内にある支店格の「大国様」のお参りは後にして参拝客の列に並んだ。八幡様の参拝者は多く半時間位列で待つ。境内の大国様を拝むだけならすぐ済むのだが、この辺りが難しいところだ。八幡宮と言えば徒然草の中に「石清水八幡宮にお参りしてふもとの極楽寺などを参詣して肝心の八幡宮をお参りしなかった」という仁和寺の僧侶の話が出てくるので、寒い中30分程列に連なって八幡様への参詣を果たしたという訳だ。
途中珈琲を飲んだりして休憩したが、バスを使って2時間半程度で全行程を終えることができた。このコースの七福神を再度お参りすることはなさそうだが、正月の七福神巡り自体は面白いと私は考えている。家でゴロゴロしているよりは軽い運動のために散歩することは良い。私は今57歳、これから10年程度は元気に散歩するとして東京の数ある七福神コースを全部回れるかしら?などと考えると寂しくなってきた。来年のお正月からはコースを厳選して価値ある順に歩くべきだなどと私はこの瞬間考え始めている。