金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

武蔵野市で七福神巡り

2008年01月02日 | まち歩き

1月2日ワイフと武蔵野市商工会議所主催の七福神巡りに出かけた。東京には10数ヶ所の七福神巡りのコースがあるが、このコースはかなり今出来である。武蔵野七福神というと所沢を中心とする別コースになるのでこのコースは武蔵野吉祥七福神と言わなければならない。

七福神巡りがさかんになったのは、江戸時代後期。私の推測だが正月に美酒美食を楽しんだ文人や商人たちが健康のため散歩をすることを思い立ち七福神をダシに使ったのではないか?と考えている。そういう意味で七福神は平和と飽食の産物なのである。

ともあれ私達はJR武蔵境駅に近い杵築大社の中にある恵比寿様からスタートする。2千円を払い色紙(7つの神様の朱印代込み)とバスの一日乗車券を貰った。下の写真は7ヶ所回って御朱印を集めた完成図だ。

Sikisi

このコースの神様の像は新しいものが多い。どうもにわか作りの気がする。その一例が延命寺にある毘沙門様の像だ。Bishamonten

毘沙門様は単独でも相場を張ることが出来る信者の多い神様だ。そのルーツはギリシアのヘラクレス神にまでつながっている。七福神の神様には日本古来の神様に加えインド伝来の神様や中国の仙人につながるものまで起源は様々だ。この多様性・大らかさが日本的でとてもよいと私は思う。

七福神巡りは伝統的な初詣と競合することもある。その例は武蔵野八幡宮、ここは坂上田村麻呂が宇佐八幡宮の御分霊を祭ったという由緒ある神社なので境内にある支店格の「大国様」のお参りは後にして参拝客の列に並んだ。八幡様の参拝者は多く半時間位列で待つ。境内の大国様を拝むだけならすぐ済むのだが、この辺りが難しいところだ。八幡宮と言えば徒然草の中に「石清水八幡宮にお参りしてふもとの極楽寺などを参詣して肝心の八幡宮をお参りしなかった」という仁和寺の僧侶の話が出てくるので、寒い中30分程列に連なって八幡様への参詣を果たしたという訳だ。

途中珈琲を飲んだりして休憩したが、バスを使って2時間半程度で全行程を終えることができた。このコースの七福神を再度お参りすることはなさそうだが、正月の七福神巡り自体は面白いと私は考えている。家でゴロゴロしているよりは軽い運動のために散歩することは良い。私は今57歳、これから10年程度は元気に散歩するとして東京の数ある七福神コースを全部回れるかしら?などと考えると寂しくなってきた。来年のお正月からはコースを厳選して価値ある順に歩くべきだなどと私はこの瞬間考え始めている。

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中国、少し労働者の国に近づく?

2008年01月02日 | 国際・政治

先のことを予測するのは難しい。昨年の初めにサブプライムローン問題がこれほど世界の金融界を揺さぶると予測した人は少なかっただろう。同様に今年起きることを予測することも簡単ではないが、金融・株式関連でいうと「オリンピック後の中国がどうなるか?」ということは一つのテーマだろうと思っている。先般私のブログにコメントで「民主主義国家でない国がオリンピックを開催すると10年以内に国が崩壊する」という説を紹介してくれた人がいた。中国が10年程度で崩壊するかどうかは不明だが、これからの中国は環境・エネルギー等色々な面で大きなコストを負担しなければならなくなるので、成長速度が鈍化することは間違いない。いわば手戻しをする時期がきている。

労働問題もそうだ。無尽蔵の労働力を当てにして使用者側が労働者に不当な対応を取ることは今後難しくなっていくだろう。このことは労働コストの大幅な上昇を招く。

今年(2008年)初めから施行される新労働法により労働コストが4割上昇するという観測がある。FTによると香港の織物会社の役員Lin氏は「新労働法の下では労働者の解雇は困難になり、最低賃金が引き上げられ、社会保険料も増加するのでコストは4割近く上昇する」と述べている。

とはいうものの「上に政策あれば下に対策あり」という中国だけにこの法律にも抜け穴はあるようだ。まず臨時的な職員は解雇できるし、第三者を経由したつまり派遣された社員も解雇できる。また労働者の権利擁護グループは新しい法律を賞賛するべき前進だとしながらも、異なる地方政府に委ねられた応急措置が法律を骨抜きにする可能性があることに懸念を抱いている。

また中国全体の労働組合連合会である「中華全国総工会」All-China Federation of Trade Unionの影響下にない労働者達も経営側と交渉する時に総工会の指示に従うことが求められている。

労働者の解雇についていうと、沿岸部の大都市では労働需給はタイトでスキルのある労働者は条件の良い職場にすぐ転職する。従って新法がなくても労働者の解雇は難しいという見方もある。

ということで中国の労働法がどの程度実態経済に影響を与えるか今の時点で見極めることは難しいが、注目点であることは間違いない。短期的には中国経済のスローダウンから中国株が大きく下げる局面があるかもしれないが、無論長期的観点からは中国が少しでも労働者の国に近づくことは歓迎するべきことである。

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