金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ベア・マーケットって何?

2008年01月25日 | 株式

ベア(熊)・マーケットとは「弱気相場」のことである。今年1月には世界の株式市場で株価が急落して、世界全体で5兆ドルも時価が減少したので、欧米の新聞・雑誌を見ているとベア・マーケットという言葉を眼にするようになった。
ベア・マーケットの正確な定義はないが、過去1年間の株価のピークから20%以上株価が下落するとベア・マーケットと呼ぶのが一般的なようだ。ベア・マーケットは一般的にリセッションや高失業率とに伴って起きる。ベア・マーケットまで行かない一時的な株価下落はコレクションcorrection(修正)という。史上典型的なベア・マーケットは1930年代の大恐慌後の市場だ。今回の相場下落がベア・マーケットと呼ばれるかどうかはもう少し様子を見よう。

昔マーケット関係の仕事をしていたので、弱気相場をベア・マーケット、強気相場をブル(雄牛)・マーケットと呼ぶことは知っていた。その語源については先輩から「牛は角を下から突き上げるので上昇相場を表し、熊は立ち上がって上から襲い掛かるので下落相場を指す」という説明を受け、長年その話を信じてきた。
ところが今日ベア・マーケットの定義を改めて確認したくなり、英語で調べて見たらこの説は根拠のない俗説らしいということが分かった。

英語のウエッブ・サイトで語源を調べる場合、「調べたい言葉」&etymology(語源研究という意味)を検索エンジンに入力すると語源を記載したサイトが出てくる。

そこで調べた結果ベア(熊)が弱気相場を表し、ロンドンの熊の皮のブローカー達が相場の下落を予想して、熊が獲れる前に熊の皮を空売りしたことによるというのが最も一般的な説のようだ。ところで強気相場をどうしてブル(雄牛)・マーケットというのか?ブル・マーケットはブル・ラン(Bull run 牛の走り)とも言われるように、活況を帯びた強気相場では、群集心理が働き投資家が市場に殺到するので、ブル・マーケットというようになったというのが一般的な説のようだ。

メリルリンチという大手証券会社がある。この会社のシンボル・マークは一匹のたくましい雄牛だ。活気を帯びた市場に群がる投資家を現すなら、牛の群れを描いたらどうか?と思うがそれではパロディになってしまうのかもしれない。あるいは下から角を突き上げる雄牛が強気相場の象徴という語源解釈にも一理あるのだろうか?

コメント
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