米国で自動車の安売り合戦が過熱している。米国で車の値引きが進んでも、一日本のユーザーである私に直接の影響はないが「車屋さんは将来もっと値引きしそうだから、今車の買い替えを考えることは止めよう」という気持ちを起こさせるから面白いものだ。大袈裟にいうと情報のグローバル化の弊害(自動車メーカーにとって)と言えるかもしれない。
ファイナンシャル・タイムズによると、米国でヒュンダイ自動車が「オートローンで車を購入して、1年以内に失業するか個人破産を申請した場合、自動車を返却していただければ、ローンの残債は免除します。個人信用履歴も傷付けません」という販売促進策を始めた。言わば自動車の条件付ノンリコース・ローンだ。
FTによるとヒュンダイは、アラバマ州でソナタ、サンタフェを月間17,000台生産しているが、先月売れたのは生産台数の76%に相当する12,900台だ。これ自体は中々立派な数字に見えるが、ヒュンダイは減産を行っているからだ。前年比では売上は48%減っている。
調査会社によると、先月の全米平均の自動車1台当りの販売促進費(ディーラーは値引きの財源に使える)は、史上最高の2,902ドルになっている。従来販売促進費を抑えていたトヨタですら、昨年は販売促進費を倍の1,995ドルに引き上げている。
12月に売上が前年比53%減少したクライスラーは、2008年モデルを6千ドル、2009年モデルを3千ドル値引きして販売している。
しかしディーラーが値引きしても、現在の環境化では販売促進効果は限られていると業界アナリストは見ている。あるアナリストによると根本的な問題は現在消費者がこれ以上借金することを望んでいないことによる。
さて日本では今後ディーラーはどのような販売策を打ち出してくるだろうか?
これは私の全くの個人的な見解で責任は持てないが、もし今どうしても車を買う必要があるのならば「ディーラーが数年後の残価を保証するリースが安全ではないか?」と感じている。というのはこれだけ販売不振が続き、値引きが激しくなると将来自動車の中古価値が値下がりする可能性が極めて高いからだ(米国ではSUVの価格が暴落して、自動車リースがストップとなった)。