Levelは「水平線」という名詞、「水平な」「公平な」という形容詞でありまた「平にする」という動詞でもある。Level offというのは「水平にする」という意味で、Level-offというと飛行機の水平飛行を意味する。
ニューヨーク・タイムズにThe pace of declines, which had been accelerating, leveled off slightly, according to the Case-Shiller Home Price Index.という文章が出ていた。「ケース・シラー住宅価格指数によると、過去下落速度を加速していた(住宅価格の)下落速度はわずかに水平化した。」
ケース・シラー住宅指数というのは、市場が注目している米国の住宅価格指数で、昨日発表された4月の同指数は下落速度が低下した。住宅価格は20の大都市圏で前年同月に較べて18.1%下落しているもののクリーブランド、ダラス、デンバーなど8つの市場では底値買いが入ったので前月より上昇している。住宅価格が底が近いというのは明るい情報だ。
だがこの明るい話題に水をさしたのは、米国の消費者信頼指数が5月の54.8から49.3に低下したことだ。多くの消費者はまだまだ仕事を見つけることが難しく、耐久消費財や住宅の購入意欲がわかない。
ところで「水平飛行」からの連想で「飛行機の操縦で離陸が難しいか?着陸が難しいか?」という話題を思い出した。一般に狭いところにぴたっと降りる着陸の方が難しいと思い勝ちだが、パイロットの話によるとそうでもないらしい。何故なら着陸はやり直しができるが、離陸は一定速度(臨界速度)を超えるとやり直しが効かないからだという。
この話経済政策に通じるところがあると思って紹介した次第だ。もっとも今懸念されていることは景気が浮上する臨海速度に達する前にスロットルを緩めてしまうリスクだが。