Lock downとは「厳重監禁」という意味で、名詞としても動詞としても使われる。7月5日日曜日に新疆省の州都ウルムチで発生した暴動についてファイナンシャル・タイムズに次の文章があった。
China locked down Urumqi, the capital of its northwestern Xinjiang province,on Monday as officials said 156 people had killed in rioting, in the worst etnic unrest in the country since the Cultural Revolution.
中国政府は月曜日に北部新疆省の州都ウルムチを厳重な監視下においた。政府発表によると暴動で156人が死亡した。これは文化大革命以降最悪の民族暴動である。
新疆省は現在は新疆ウイグル自治区とよばれ、首長にはウイグル人がついているが、実権を握っているのは共産党幹部の漢人である。今回の暴動の直接的な原因は先月おもちゃ工場で漢人とウイグル人の衝突があり、二人のウイグル人労働者が死亡したことについて、当局の調査を求める平和的なデモ隊と警官の衝突に端を発するといわれている。
中国当局はワシントンに亡命しているウイグル人の女性指導者Rebiya Kadeerが裏で暴動を操っていると非難したが、彼女は否定している。
暴動の根本的な原因は新疆ウイグル自治区の45%を占めるウイグル人が移入してきた漢人に差別され、経済的に不利な状態におかれ不満が鬱積したこと・・・というのが、西側メディアの見解である。
ところでこのニュースは昨日中国メディア・新華社の英文HPでも見ることができたが、新華社の日本語HPは一言も触れていなかった。日本語HPは中国経済に関する話題ばかりである。新華社の日本語HPの担当者が忙しくて手が回らないのか、それとも日本人向けには経済情報だけ流しておけばよいと上層部が判断しているかは分からないが、日本はすっかり軽視されている。それはさておきこの新疆地区の暴動は規模と当局の対応などからかなり大きな問題となる可能性があるだろう。