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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「魔の2時」は本当だった

2009年07月13日 | 

前のブログで週末に櫛形山に登った時、同行者の人が両足の痙攣に見舞われるという小さなアクシデントがあったことを書いた。夏山シーズンが近いことか足の痙攣予防などについてちょっと考えてみた。

まず最初に思い出した言葉は「魔の2時」という言葉だ。これは登山中の事故が午後2時前後に集中していることを指す言葉だが、同行者の痙攣はまさに午後2時直前に起きたからだ。「山岳遭難の構図」(東京新聞出版局:青山 千彰著)は、山岳事故を統計的に分析した本だが、統計からも「日帰り登山の事故は午後2時頃に集中する傾向」が明らかになっている。また同書は「山行行程を登りの2行程、降りの2行程に分けた場合事故は4分の3行程に多く発生する」ことを示している。午後2時=4分の3行程とすると2つのデータは同じことを示している。

午後2頃に事故が集中する理由は「疲労の蓄積」と「注意力の散漫」や「ルートの危険性」がこの辺りで交差することにあるのではないか?と私は考えている。「疲労の蓄積」だけから見ると行程の4分の4である下山地点がピークになるが、一般に下山口付近は山里に近く登山道の危険性は低いことが多い。一方急斜面をトラバースするとかガレ場を下るという転倒・転落の危険性は山頂部や中間部で高いと考えられる。

さて筋肉の疲労についてだが、筋肉の負担は登りよりも降りの方が大きい。これは下山が「筋肉を引き伸ばしながら力を発揮する伸張性収縮」という筋肉の動きを伴うからだ。強い伸張性収縮を行うと筋繊維が切れる。登山の翌日以降に筋肉痛になるのは筋繊維が切れたことによる痛みだ。

「足がつる」原因には色々なことがあると言われているが、病気による痙攣を別とすると「疲労物質の蓄積」「脱水による水分バランスの崩れ」「電解質(カルシウム・カリウム・マグネシウム)の濃度異常」などが主な要因のようだ。

汗をかくと水分が減るとともにカルシウム等のミネラルも流れ出るので、これを補う必要がある。梅干などを食べるのも良いし、ポカリスエトなどミネラルに入ったスポーツ飲料を飲むことも有効だ。「バナナにはカリウムが入っているのでバナナを食べると良い」という記述もあるが、暑い夏山ではバナナはズルズルになってしまいそうだ。

なお今のところ私は使っていないがダブル・ストックも下肢の負担を軽減する上で有効だという意見が多い(欧州のトレッキングではダブル・ストックが常識だそうだ)。もっともダブル・ストックに頼り過ぎた故の滑落事故という話も聞くからダブル・ストックも魔法の杖ではないようだが。

いずれにしてもこれからの登山では「午後2時」にもっと注意しよう。今自分が「危険時間帯」に入っていると自覚することで未然に防げる事故もあるだろうと私は考えている。

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アヤメの山にアヤメなし

2009年07月13日 | 

7月12日(日曜日)曇。某ロータリークラブの登山愛好会とアヤメで有名な山梨県の櫛形山(2050m)に登った。午前8時半JR甲府に到着。総勢14名は頼んであったマイクロバスで県民の森経由で北尾根登山口の見晴台に向かった。櫛形山は路線バスではアプローチできない山なのでバスを仕立てた次第だ。チャーター料は4万5千円(税別)。14名で利用すると悪くない方法だ。

9時55分登山開始。登り口の標高は1,320m。11時10分頃「アヤメ平」と呼ばれる平坦な草原に到着。本来は名前のとおりアヤメが咲く草原なのだが、今年は一本もアヤメがさいていない。仕方がないので地衣類(とおもわれる)植物で覆われた巨木の写真を撮った。

Kisei

登山道ですれ違った「アヤメ保存」の関係者の話を総合するとアヤメが見られない理由は「地球温暖化の影響」と「鹿がアヤメを食べたこと」によるという。地球温暖化の影響というのは、温暖化で雪が少なくなり、冬にアヤメが寒害でやられるということだ。雪が多いと雪に覆われたアヤメは雪の下で育つという。

正午頃裸山(2002m)に到着。ようやく裸山の頂上に咲く一輪のアヤメを見つけた。以前この山に来た時はアヤメやユリなど色々な花が咲いていたが今回は花は乏しい。

Ayame

裸山の頂上から一瞬大きな笠雲をかぶった富士山が見えた(このブログの写真では分かりにくいが)

Fuji

下山路で五弁の白い花を沢山見かけた。その内名前を調べようと思いとりあえずブログに載せた。

Shiroihana

さあ、おろそろバスに戻るか?と思う程下山したところで、ちょっとしたアクシデントが起きた。同行の一人の人が両足の太股に猛烈な痙攣を起こし動けなくなってしまったのだ。靴を脱がし土踏まずのツボを刺激する(これがよいかどうかは不明だが)も回復しない。

そこで仕方なく私がその人を暫く担いで下山した。暫くすると歩行できるようになったので、肩をお貸ししてバスにたどり着くことができた。

バス到着は2時10分頃。予定より10分程度遅れた。その後は日帰り温泉・白根桃源天笑閣へ立ち寄り汗を流す。ここは湯質は良いが少し狭い。もっとも十数名の団体が一度に入るとそこそこその温泉でもごった返すことになるだろうが。

最後は甲府駅に近い銀座江戸屋で打ち上げ。甲府なのに何故江戸屋なのかは知らないが、まあまあのお店だった。

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