金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国の失業率から考える

2010年04月04日 | 金融

先週金曜日に発表された米国の雇用統計は市場に明るい材料を提供した。ドル円為替レートは94円台まで円安になっている。米ドル等外貨建ての運用資産が多い(絶対額ではなく単に比率ですが)ので、ドル高は大いに歓迎だ。資産価値が戻ってくると、多少贅沢をしたくなるから困ったものである。今日はワイフと「天然木の食卓」を見に吉祥寺に出かけた。すぐ買う訳ではないが、天然木の手触りを楽しみながら、あれこれ考えることは楽しい。資産価値が増えると消費が増えるとはこういうこのなのか?などと考えたりする。

さて米国の失業率は9.7%と前月と変わらなかったが、非農業者部門の雇用が162千人増えたのが明るい材料だった。事前の市場の予想は200千人の雇用増で、この内人口統計用の政府臨時雇用を8万人見込んでいた。ところが実際の政府の臨時雇用は48千人だったので、民間部門の採用は市場予想並だった。また1月、2月の非農業者部門の雇用が62千人のプラスに修正されたことも好材料だった。

もっとも明るい材料だけではない。パートタイム労働者等不完全就業者を加えた広義の失業率U-6インデックスは16.9%と高止まりしてるし、長期間の失業者は414千人増えている。

オバマ大統領は「我々はコーナーを曲がり始めている」としながらも、「今日の雇用統計の数字は歓迎できるが、我々はまだまだやるべきことが残っている」と述べている。

一方ファイナンシャル・タイムズによると、オバマ政権の国家経済会議の委員長を務めるローレンス・サマーズ氏は、雇用統計発表前に「米国経済は自分の力で成長し始め、向こう数ヶ月間新しい雇用を生み続けるだろう」と楽観的な見通しを述べていた。彼は「景気の回復は早い段階から始まっていたと思われ、このような危機における回復より活気がある」と述べている。

しかし油断は禁物。米国の雇用回復が本調子なのかもう少し様子を見てみよう。食卓を買い換えるのはそれからでも遅くないと私は考えている。

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