いうこの頃朝の通勤列車が混んでいると感じることが多い。昨夜日本橋コレドの皆見(みなみ)という島根料理を出す店で軽く飲んだがほぼ満席だった。新人が社会に出る一方、会社を去る人がいたり、転勤する人がいる時期、通勤電車や飲食店が混むのは毎年のこと。しかしどことなく景気の回復を予感させるムードがあることは確かだ。
今日日銀が発表した地域経済報告をタイトルだけ見たが、全地域で景気は持ち直しの動きということだ。
ニューヨーク・タイムズに目を通すとアメリカからは更にはっきりと景気の回復を伝える声が聞こえてくる。一つは外食産業の売上と雇用がプラスに転じたというニュースだ。47のチェーンストア・10万店を追跡する業界調査会社NPO Groupの発表によると、3月の売上は前年比プラス1%となった。1%というと小さい数字だが、過去10ヶ月間前年比マイナスだったので、プラスに転じた意味は大きい。
労働省の統計によると、外食産業の雇用は今年1月からプラスに転じ、42,500人雇用を増やしている。これは2007年以降初めてのこと。もっともリセッションが始まった2007年12月から同業界では25万人の雇用が失われているので、本格的な回復への道のりは遠い。
IT業界からも景気回復を伝えるニュースが聞こえてくる。昨日四半期決算を発表したインテルは103億ドルと史上最高の売上高を計上した。このニュースを分析したウオールストリート街は今年のPC市場は25%程度成長する可能性があるという予想を立てた。実際第1四半期の全世界ベースのPCの売上高は27.4%増加している。
アップルが今月末に海外で販売を開始する予定の新しいタブレット形デバイス・iPadの販売を延期したのも、4月3日に米国で販売を開始した同デバイスの販売が予想を上回る50万台に上り、供給が追いつかないからだ。
一方タイムズを見ても、日本に関連する記事はトヨタがレクサス(日本のランドクルーザー・プラド)の販売を一時中止したというもの位。ギリシア国債の問題が話題になると「日本はGDPの2倍の借金を抱えるもっと財務状況の悪い国だ」というコメントが時々流れたりするが。もっとも政治に関するコメントはめっきり減っている。米国政府からすると「誰と話しても責任ある答はなくうんざりしている」というのが本音だろう。
新聞広告の週刊誌タイトルを見ると「鳩山総理にアメリカが音を上げた、バカが専用機でやって来た」(週刊文春)などという文字が躍っている。私は民主党支持者でないし、鳩山総理の指導力にも疑問を持っている。しかし「売らんがための広告」でもここまで、自国の首相をコケにするメディアというものにも少々うんざりする。これらの雑誌は昨年総選挙の頃は民主党騒ぎでupbeatしていたのではないだろうか?
話が横道にそれてしまったが、少なくとも今の世界は日本の景気回復にはほとんど期待していないようだ。その理由は景気回復の足取りが弱いこともあるが、輸出主導なので自国景気の回復にはプラスが少ないからだろう。
少し景気持ち直しの兆しが見えてきた日本経済、何とか立ち枯れしないよう丹精したいものである。