金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【仮説】あることがはっきりすると北朝鮮の崩壊は遠くはない

2010年04月26日 | 国際・政治

クオリティ・ペーパーつまり信頼できる新聞で「北朝鮮の崩壊は遠くない」などと明言している新聞はない。従って「北朝鮮の崩壊は遠くない」というのは私、一市井のアナリストの極めて主観的な予想である。

「あること」というのは、先月突然の爆発で沈んだ韓国の哨戒艦・天安が北朝鮮の魚雷により爆破されたという明確な証拠がでることだ。韓国の金国防相は25日記者団に「魚雷(爆発)による気泡が(原因として)最も近いと考えているが、ほかの方法も調査し検討中だ」(日経新聞)と述べている。

今のところ韓国政府は北朝鮮が犯人だという確証を見つけていないかあるいは見つけていても公表を控えているかのどちらかだと考えるのが妥当だろう。何故「見つけていても公表を控えている」可能性があるのか?というと「北朝鮮が犯人だ」と公表すると何らかの制裁を行う必要があるからだ。何らかの制裁を行わないと韓国世論が納得しないだろうし、G20を今秋に控え国際世論の支持も得難いだろう。

「見つけていても公表を控えている」と仮定すると、韓国政府は米国と場合によっては中国を含めて、経済制裁の効力とその結果について協議を行っていると考えることができる。過去の例から見て、中国が参加しない経済制裁の効果には限界がある。中国は北朝鮮を米中対立の緩衝地帯と見ているので、北朝鮮への経済制裁に消極的であった。しかしもし天安爆発が北朝鮮の攻撃によることがはっきりすると、中国も経済制裁に参加せざるを得ないのではないか?と私は見ている。そして中国の経済制裁が加わると北朝鮮の金正日政権は崩壊すると私は見ている。

中国が北朝鮮を見捨てるかどうかは、中国が「北朝鮮という緩衝地域なくして米国と対峙できる」と判断するかどうかにかかっていると私は見ている。中国としては北朝鮮を緩衝地帯として確保したいところだが、金政権の自壊が視野に入る場合は別の対応を選択せざるを得ないだろう。

金正日の話題で頭に浮かぶのは、健康状態と後継者問題だ。後継者に一番近いと言われているのが三男の金正運だ。彼は謎の人物で北朝鮮以外では11歳の時の写真しか知られていない。ただニューヨーク・タイムズが報じるところでは、先月北朝鮮の新聞に金正日が正雲らしい男を連れてスチール・プラントを見学した写真が掲載されたということだ。写真の人物が正雲とすると、金正日は三男を後継者としてアピールするため公の場に連れ出したということになる。

ところで天安爆破の真犯人を北朝鮮だと仮定すると、その動機は何か?ということが問題になる。昨年の遭遇事件による死者2名に対する報復だとする考え方もあるようだが、私は「金正日の後継者選びに関する軍部への譲歩(韓国に対する軍部のハードポジションを容認)」か「金正日の健康悪化等による統制力の乱れを付いた軍部の独走」ではないかと考えている。

現在の北朝鮮の食糧・エネルギー事情が極めて悪いことは周知の通りだが、注目しておいて良いことは、インターネットの普及などでかなりの国民が外国の良い暮らしぶりを知っているということだ。

北朝鮮が昨年突然実施したデノミネーションも失敗で国民の金政権に対する不満が高まっているという見方も出ている。

話を整理すると「韓国側は対応策が固まってきたところで北朝鮮に対する諸国協調の経済制裁を行う」「中国も参加する経済制裁に北朝鮮は猛反発する」「しかし北朝鮮が下手に出て、原爆の完全放棄などを誓わない限り経済制裁は続く」「北朝鮮政府が前面降伏をしようとすると軍部の猛反対が起きる」「軍部の意向を尊重すると制裁が続き、一般市民からの反発が強まる」「いずれの経路を辿っても金政権は非常な困難を避けることができない」

また北朝鮮の武力示威の背景が不安定な後継者問題にあるとすれば、金正日の健康状態の悪化が進んでいると考えることができる。近い将来、彼に万一のことがある場合、政権禅譲の準備が進んでいないので、『金王朝』は崩壊する」と私は考えている。

私の推測を荒唐無稽と判断されるか、ある程度の蓋然性のある話と受け止められるかは皆様次第である。ただ私はこのようなリスクを抱えた隣国があることを日本人は少しシリアスに考えた方が良いと私は思うが如何なものだろうか?

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春なお寒し荒船山

2010年04月26日 | 

4月24日土曜日会社の山仲間と群馬県の荒船山(1422m)に登った。「クレヨンしんちゃん」の作家が亡くなった山といえば、山に関心のない方でも「ああ、あの荒船山」と思い出されるかもしれない。荒船山は遠くから見ると航空母艦のような形をした特徴のある山だ。高さは1422mとそれ程ではないが、その特異な山容を見た人は一度は登りたいと思う山だ。我々の山の会も2月に蓼科山から荒船山の姿を見てここを訪れたいと思った次第だ。

今回の計画は土曜日に荒船山に登り、菅平のペンションに泊まり、翌日根子岳から四阿山に登るという少し欲張ったものだ。

土曜日新幹線で佐久に行きそこでレンタカーを借りた。佐久到着が9時21分、荒船山登山口の内山峠着が10時10分頃。10時20分過ぎに登山開始。道は駐車場の西の端から尾根を回り込むようにして登っていく。最初は緩やかな道だが少し登ると急な斜面が出てきた。

Noborihajime

やがて荒船山を特徴づけるトモ岩の大岩壁が見えてくる。西北向きの岩壁は午前中は逆光で良い写真が撮りにくい。掲示した写真は午後に帰る時撮ったものだ。

Tomoiwa

11時13分ハサミ岩という洞窟付の岩場に到着。ここは修験道場の後という話だ。

Hasamiiwa

トモ岩の頂上に着いたのは11時58分。絶壁の向こうには浅間山や妙義山が見える。その間にはウネウネと続く国道やはるか遠くに長野自動車道の橋が見えるのみ。誠に雄大で肝が冷えるほどの高度感だ。

昼食はトモ岩近くの休憩小屋で食べた。小屋の中のテーブルには少し前に降った雪が残りまことに寒い。手元の寒暖計を見ると3度である。後で考えると小屋ではなく、日当たりが良く風の吹かない木立の間で休んだ方が良かったようだ。

13時5分荒船山の頂上である経塚山(行塚山)に到着。

頂上には霧氷をまとった木があった。

Muhyou

霧氷は山頂の西北側の木に付いていた。暦の上では春ながら荒船山はまだまだ寒かった。

午後3時頃内山峠駐車場に戻り、今日の宿泊地菅平に車を向けた。

長野県には谷川岳を初めとして個性の強い山が多い。深田久弥の日本百名山に入る山は谷川岳、平ケ岳、巻機山、武尊山、皇海山、日光白根山、赤木山、浅間山、四阿山、草津白根山、至仏山の11山だ。荒船山は百名山には入らないが、鋭い岩峰を連ねる妙義山と並ぶ上州の名峰であると私は思っている。岩場を見ながらの急登と平らな頂上部の面白い組み合わせもこの山の登山を変化に富んだものにしている。

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今週は重要な指標目白押し

2010年04月26日 | 金融

漸く春らしい天候になった。今日は円安効果もあり、日本株は堅調にスタートしている。このまま続伸を期待したいところだが、市場参加者は今週発表される内外の統計データの予想に神経を使っているかもしれない。

水曜日には米国のFOMC(連邦公開市場委員会)のミーティングがある。政策金利の変更については、大方の予想は今年一杯利上げはなく、2011年の早い時点で引き上げが行われるというものだ。ただし連銀の発表する文章には、政策変更の意図はないかどうか皆神経を尖らすだろう。

金曜日には米国のGDPが発表される。FTによると、コンセンサスは年率3.5%のプラスだが、より多くの関心はどのセクターの伸びが大きいか?という点だ。一番関心が高いのは最大のセクターである個人消費の伸び。FTは年率3.1%(昨年最終四半期の伸びは1.6%)と予想している。

日本で注目されるのは金曜日に発表される「経済・物価情勢の展望」で、成長率とインフレの状況だ。4月の消費者物価がまた下落していると予想されるので、中々デフレ圧力から抜け出せそうにない。ユーロ圏で注目されるのは木曜日に発表されるドイツの失業率だ。こちらも大きな改善は期待できないようだ。

ゴールデンウィーク前だが、マーケット関係の皆様には大変な時期である。ご苦労様。

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快晴、根子岳から四阿山(あずまやさん)の山旅

2010年04月26日 | 

先週末私のブログに急にアクセスが増えた。どうやら日経マネーの6月号に私のブログが小さく紹介されたので、立ち寄られた方がいらっしゃったようだ。経済の話をあてに立ち寄られる方には関心のない話だろうが、今日は週末に登った山の話。24日土曜日に荒船山に登り、25日日曜日は菅平の名峰根子岳と四阿山に登った。四阿山は日本百名山の一つでもある。

四阿山は私には思い出の深い山だ。まず中年になって再開した山スキーで最初に登ったのが四阿山。快晴無風の2月に誰もいない四阿山の頂上から、麓のあずまや高原ホテルまで一気に滑った(本当は結構息が切れてよく休んでいた)ことを思い出す。

もう一つは仲良くしていた秘書室の女性達と菅平でスキーをした思い出。もっとも仲良くしていたというのは私の主観に過ぎないだろうが。

さてこの日は会社の山仲間つまり中年のオジサン5人で残雪を求めての山歩きだ。菅平のペンションを7時に出て車を標高1600mの駐車場に止めここから登山開始。登山開始は7時20分。根子岳の森林限界は2000m弱。この少し手前から残雪が出てくる。

Nekonobori

10時20分根子岳頂上到着。快晴360度の眺望を楽しむ。特に屏風のように連なる北アルプスの雪景色がすばらしい。南に目を向けるとこれから登る四阿山の北面にべったりと雪が着いているのが見え、登高意欲を湧かせる。

Azumayasan

根子岳から四阿山の鞍部に下る出だしは、爆裂火口の淵を歩くので高度感が楽しめる。雪の着き方が悪く少し緊張するところもあった。天候の悪い時などは要注意だ。

Kakou

鞍部から硬い雪の斜面を1時間ほど歩くと四阿山山頂を目の前に見る広々としたところにでる。ここが根子岳からのルートと菅平高原からのルートが交わるところだ。このジャンクションに荷物を置いて空身で四阿山の絶頂を往復する。頂上に着いたのは11時25分頃。

Azumayasannchou

四阿山の山頂はナイフリッジで誠に気持ちが良い。

Chouryou

昼食の後菅平への尾根道を下った。雪の上は気持ちが良いが、土が出てくるとぬかるんでヌルヌルの道になり、気を抜くと滑りそうになった。午後1時50分駐車場着。上田の手前の真田の湯という日帰り温泉でそそくさと汗を流し、レンタカーを上田駅で返し4時2分の新幹線で帰京した。

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