6月25日某大手整水器会社の株主総会出席のため前夜から大阪に出張した。一人旅の夜は太田和彦著・居酒屋百名山の店を訪れることに決めていた。大阪市内に「百名山」は8つある。太田和彦さんの本で読むところでは「ながほり」あたりに食指が動いたが、梅田から少し離れているので、今回は梅田から歩いていける曽根崎の「門」に行くことにした。
6時前にJR大阪駅に直結したホテル・グランビアを出て御堂筋を渡り、お初天神に向かうと細い路地に居酒屋が密集していた。ところが中々「門」を見つけることができず、半ば諦めて「薩摩料理・島国」という店に飛び込んだ。なんの下調べもしていなかったが、ここは手頃な店だった。
ただし料理のレベルはものによってバラバラ。お刺身盛り合わせはマグロの赤身の鮮度が悪いと感じた。一方抜群に感心したのは写真のさつま揚げだ。イワシのすり身のさつま揚げの芯は、エビ、ごぼう、レンコン。お客の注文を聞いてから目の前で揚げるさつま揚げは食感が良い。ジョカで飲む焼酎にとてもマッチした。
勘定を払いながらマスターに「門」の場所を聞くと10m程の先の路地を左に曲がったところにあることが分かった。目と鼻の先をウロウロしていた訳だ。
居酒屋「門」には看板の出ていないドアを開けて階段を二階に上がる。お腹はかなり満ちていたので日本酒から入る。マスターのお薦めは写真の「山本」。秋田の山本合名酒造の酒だ。一口含むとフルーティな味が口の中に広がっていく。美味い酒だ。
さておつまみは?と品書きを見ると「女乳」とある。居酒屋百名山の中で太田さんは「女乳・・・メニュー?なんじゃこのセンスは」と聞き、マスター「すみません、岸和田じゃ普通で」と答えている。変わっていないんだなぁ・・・と感じる太田本が作り出すde ja vuな世界だ。
つまみには万願寺とうがらしとそらまめを焼いて貰い肉味噌を付けてたべた。万願寺もそらまめも大きくしっかりしていた。「門」は居酒屋百名山大阪編のトップバッターとして良い店だった。門を出て右に曲がるとそこはもうお初天神の境内である。なーんだ、はじめからこっちから来れば良かった・・・・。でも道に迷って入った島国も良かったし。人生に無駄など一つもないのだ。