金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

仕事ができる人はメールの返事が早い

2012年12月06日 | デジタル・インターネット

年末が近づくと、メールでスケジュールを調整しながら、ミーテイングや飲み会を催すことが増えてくる。こんな時メールに返事が遅いとモノゴトがサクサク決まらないので、frustrationが溜まる。

そんな中で私が強く感じたことは「仕事ができる人はメールの返事が早い」という当たり前といえば当たり前の事実だ。仕事ではないのだが、先月終わり頃、「ヒマラヤトレッキングの報告をやりますよ」という連絡を山仲間に発信したところ、ロータリークラブ関係者からの返事が一番早くて気持ちが良かった。

ロータリークラブ関係者は会社の経営陣だからここでは一応「仕事ができる」ということにしておくと、「仕事ができる人はメールの返事が早い」ということができる。

部下からの連絡に指示を与えたり、取引先などと連絡の多い人がquick responseを重視しているのは当然といえば当然だが、もう少し掘り下げて考えてみると次のようなことが考えられる。

  1. Quick responseができる人はそれなりのITツールを持っている。たとえばロータリークラブ関係者はFacebookで連絡を取り合っている人が多いが、これは慣れると携帯電話のメールよりも便利だろう。次にオフィスのパソコンに送られてきたメールでも転送機能などで、near real-timeに読み、処理をしている人も多いということだ。
  2. 次に自分のスケジュールを自分でコントロールできる裁量権を持っている、ないしはモノゴトの選択基準がはっきりしていて、参加・不参加を即断できるということだ。

ところで論理学的にいうと「仕事ができる人はメールの返事が早い」ということが真実だとしても「メールの返事が早い人は仕事ができる」ということは必ずしも真実にはならない。生活実感としても、仕事がなくて暇でいつも携帯電話やパソコンをいじっている人がメールの返事が早い場合もあるからだ。

一方「仕事ができる人はメールの返事が早い」ということが真実だとすれば、その対偶である「メールの返事が遅い人は仕事ができない」という関係は真実になる。

メールに返事をするのが遅い人は仕事ができない奴だな、と上司や取引先から思われる危険性があることは知っておいた方が良い。そしてQuick responseができるIT装備の実装と裁量権の拡大を図るべきだろう。人は意外に見かけで判断されるものだと私は思う。

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休みを増やせば日本は良くなる~乱暴な私論だが

2012年12月06日 | うんちく・小ネタ

今日(12月6日)の読売新聞朝刊トップは「自民過半数超す勢い」だった。記事によると単独で過半数241議席を大きく上回る勢いで提携する公明党を合わせると300議席を超す可能性がある、そうだ。

このような情勢下、目端の聞く人は安倍政権下で日本はどうなるのか?ということを論じ始めている。日本通のアナリスト、ピーター・タスカ氏はFTにAbe can turn round Japan's fortuneという寄稿を寄せていた。turn roundは「回転させる」という意味の他、「悪い状態から良い状態に向ける」という意味がある。ここではもちろん後者の意味で「安倍政権は日本の運命を好転さすることができる」という意味だ。

今年の夏のことだと記憶しているが、ピーター・タスカ氏は消費税増税に反対で、日本はむしろ貯蓄税を導入するべきだと主張していた。消費税増税に反対するタスカ氏の論拠は「日本はGDPの50%に等しい海外純資産を持っている」「日本国債は格付機関による格付とは反対に債券市場では世界一の評価を受けている」というものだ。この意見は興味深いが私は全面的には賛成していない。例えば後者についていうと日本国債の9割以上の投資家は国内の個人や機関投資家であり、ホームバイアスから高い評価を下しているに過ぎない、という見方ができると述べておこう。

ただしそのことはこのブログの本論ではない。私が今日言いたいことは、選挙のagendaには挙がっていないけれど、「日本を良くするには勤労者の実質的な休みを増やす」ことだということだ。

労働基準法では6.5年以上勤務した人には年20日の有給休暇が与えられることになっているが、私の経験や見聞きする範囲では中々この有給休暇をフルに取得している人は少ない。私の主張は「法定有給休暇を増やすとともに有給休暇の取得日数を増やそう」というものだ。

ピーター・タスカ氏の貯蓄税導入は感覚的・技術的に難しいと思うが、貯蓄をdiscourageさせて投資や消費を増やそうという考え方には私は賛成だ。貯蓄税に較べて、有給休暇を取得しない人や実質的に取得させない企業に課税(広い意味で)するということの方が簡単ではないか?と私は思っている。

というような主張に対しては「経済的に苦しいから休みも取らずに働いているのに呑気なことをいうな」とお叱りを受けるかもしれない。だがマクロ的に考えると休みを増やすことは、雇用拡大につながるはずだ。仮に一人あたり10日休みが増えるとしよう。ある仕事を100人の人が一人年250日働いてこなしていたとする。その仕事量は25,000人日だ。10日間休みが増えると同じ仕事をするために104.17人が必要になる。つまり雇用が4.2%近く増える訳だ。

増えた休みの使い方は当然個人の自由だけれど、国内でのレジャーに使えば国内消費が増える。ボランティア活動に使うと、感謝されるし、自己満足度が高まり、有意義な人生を送ることができる。海外旅行に使うと国内消費は増えないけれど、見聞が広がり、diversity(多様性への理解)が高まる。また健康の維持・改善につながり医療費支出の抑制につながる。と良いこと尽くしだ。

無論人件費の上昇を恐れる経済団体からは、このような提案は反対を受けるだろう。だがこれもまたミクロ的・短期的な見方だ。欧米先進国並の実質有給休暇が、育児環境を改善し少子化の歯止めにつながる。消費が増えるとGDPが拡大し、まわりまわって企業にプラスになる。

もし「休みを増やそう」という候補者がいると直ぐにでも投票したいのだが。

コメント (1)
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