FTは農家が収穫高の最大化を目指して輪作を行う「輪作」の原理が金融市場にも適用できるかもしれないと書き出していた。
2012年は世界的に株高だった。米国のS&P500は1年間で12.23%上昇、欧州のEurofirst300は14.97%上昇、エマージングものもMSCIEmerging ETFが14.3%上昇した。中でも年末にかけてラリーが激しかった日本株(TOPIX)は18.01%上昇と世界のインデックスの中で一番上昇した。
世界的な株高の一番の理由は中央銀行の無制限な金融緩和政策だ。出遅れていた日本でも安倍政権の誕生で本格的な金融緩和・インフレ政策が取られるという予想から、株価が急上昇した次第。
では来年は「株高」にかけて大輪作をする時期だろうか?
予測を立てる前に過去を少し振り返ってみよう。今年1年日本株は18%上昇したが、昨年1年間では19%近く下落した。つまり2年通しでみるとまだマイナス。2008年年央には1,400ポイントだったTOPIXは12月末で859ポイントに過ぎない。
一方2008年年央に1400ポイントだったS&P500は12月にはほぼ同水準に戻している。日本株は出遅れているのかそれともファンダメンタルが違うのか?
農作物の輪作には長年の経験で蓄積された叡智が働く。しかし金融市場の輪作原理はそこまで熟していない。1つ2つの作物に大きな財産をかけるのは危険だ。来年も色々な作物に分散するのが賢明なやり方だ。だが少しエクイティの植え付けを増やしてもいいだろうと私は考えている。