世銀は昨日今年と来年の世界の経済成長率予想を2.7%、2.9%と発表した。これは今年1月の予想と同じだった。
「製造業と貿易が増加し、信頼感は改善し、国際金融の状況は良好」であることがその理由だ。
一方世銀は政策の不確実性は高止まりし、金融市場のボラティリティは現在の低レベルから高まる可能性があると指摘している。
世銀はPolicy uncertainty is likely to remain high in 2017.と述べているがuncertainty(不確実さ)とはリスクの同義語である。
政策面では主要経済諸国の金融政策や貿易政策が突然変わる可能性がある。突然変わる可能性が高いという意味では米国のリスク(不確実性)は高そうだ。今回の世銀予想はトランプ政権が提案している減税案やインフラ投資案を具体的内容や時間軸が示されていないから反映していない。
世銀はユーロ圏の今年の経済成長率予想を1月より0.2%引き上げて1.7%とした。金融緩和政策の持続と、内需・外需とも堅調という判断に基づくもの。
また日本については、半年前の予想より0.6%引き上げて今年の経済成長率予想を1.5%とした。世界経済の活況と金融緩和策の持続が経済成長を押し上げるだろうという判断だ。
なお世銀は中国経済については、成長予測を6.5%に据え置いた。