サマーラリーとは米国株が夏場に上昇するという経験則だ。理由ははっきりしないが、7月4日の独立記念日から9月第1月曜日の間の夏休みシーズンが始まる前に投資家がボーナスなどで株を買うため、相場が上昇しやすいからだと言われている。
CNBCは「夏に相場はピークをつけ秋にはコレクション(10%以上の相場の下落)に入る可能性が高い」というJPモルガンのテクニカル・アナリストのコメントを紹介していた。
金曜日(昨日6月9日)の米国株はダウは上昇したものの、ナスダックは113.85(1.80%)急落した。アップル・アマゾン・アルファベット・フェイスブックなど相場を牽引してきたハイテク株が売り込まれたからだ。
トレーダーたちは、これらのハイテク株が売られた理由の一つはゴールドマンザックスが最近のこれらの株の急上昇は過熱しているという調査レポートを出したことによると述べている(WSJ)。
アマゾン・アルファベットの1,000ドルクラブ入り競争などお祭り騒ぎ的な過熱感があったことは間違いないだろう。
どんなに業績の良い会社の株でも一直線に上がり続ける訳ではない。買われ過ぎると割高になり、水準見直しが行われる。
ただ昨日のハイテク主要銘柄の下げ幅をみると、銘柄選択的な売りではなく、値上がり幅の大きかったハイテク銘柄をまとめて売った結果とも見える。
株は買うよりも売る時が難しい。理想的には最高値に近いところで売りたいが、それは神の領域の話。高値警戒感を起こした投資家は早目に売り逃げようとする。
長期的に米国株に強気の見方は変えていないが、値上がりが大きかったハイテク銘柄には水準見直しが入る可能性はあるだろう。
この夏はハイテク株のウエイトを落としておいた方がのんびり夏休みを過ごすことができるかもしれない。