金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

旅の道連れは角田さん

2017年06月26日 | 本と雑誌

旅行する時皆さんはどんな本を持っていきますか?

列車に乗っている時間によりけりだけれど、私はエッセー集が多い。

長い小説は途中で腰を折られることが多いので、短い読み物の方が列車旅には向いている。短い読み物となるとエッセー集が良い。

エッセーの中で私が旅行によく持っていくのが、角田光代さんのエッセー集だ。角田さんのエッセーは大好きだが、角田さんの小説はあまり読んでいない。というか私はフィクションよりノンフィクションの方が好きなのであまり小説は読まない。あまり読まない小説の中で歴史小説はよく読む分野だが、史実に近い(感じがする)中村彰彦さんなどを好んでいる。

ただし中村さんの本はほとんど読んでしまったので、最近の旅の道連れはもっぱら角田さんだ。

角田さんのエッセーは、角田さんの今までの暮らしが適度に開示されていてリアリティが高い。それに身近な材料を仕立て上げる巧みさに引き込まれる。表現や文体が実に自由なことことも魅力だ。

最近山旅の前後に読んだ「今日もごちそうさまでした」というエッセー集の中の「ホワイトアスパラが成し遂げた革命」というエッセーの中に「缶詰に入ったホワイトアスパラガスは、へにょーんくにょーんとしていて、缶臭く・・・存在意義があまりよくわからない感じのものだった」という一文がある。

「へにょーんくにょーん」などいう表現は、男性作家では使わないだろう。大の男がそんな表現を使うと変な奴、と思われるのが、関の山だ。

女性作家だからそして角田さんだからできる自由な表現と多様な文体。一つ一つの話が短く完結しているので、どこから読み始めてもどこで読み終えてもこちらの自由。

小1時間ほど新幹線に乗るような旅には持ってこいの旅の道連れである。

角田さんは毎日自宅から自分の事務所に出勤して原稿を書いているらしい。角田さんがたくさんエッセーを書いて、旅の道連れに不自由しないことを願っている。

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秘湯から秘湯への山旅~那須連峰登山

2017年06月26日 | 

深田久弥の「日本百名山」の「那須岳」では那須岳(1,917m)となっている。これは那須連峰の最高峰三本槍岳の標高である。しかし一般に那須岳というとロープウエイで簡単に往復でいる茶臼山(1,915m)を思い浮かべる人が多いだろう。

私もかなり前にカミさんとロープウエイで茶臼山を往復して、那須岳に登ったことにしていたが、今回百名山好きの山仲間が、三本槍岳に登るというので同行した。

ルートは一日目にロープウエイ経由で茶臼岳に登り、北面の三斗温泉に泊まり、翌日三斗温泉から隠居倉経由で三本槍岳に登り、朝日岳から峰の茶屋を経て、下山するというものだ。

下山後大丸(おおまる)温泉の大丸温泉旅館で日帰り入浴した。大丸温泉旅館は「日本の秘湯を守る会」の推奨宿だけあって露天風呂の規模が大きく素晴らしい。三斗温泉という鄙びた温泉と大丸温泉というお洒落な温泉を巡る山旅であった。

6月24日(土曜日)午前10時前に到着する東北新幹線で那須塩原駅に到着。9時15分の路線バスで那須ロープウエイに向かった。10時半過ぎにロープウエイ乗り場に到着。すぐにロープウエイに乗り、11時には登山を開始した。天気は曇のち晴。

ロープウエイ山頂駅からは大勢の老若男女が茶臼岳を目指して登っている。

11時43分に山頂到着。昼食を食べた後、峰の茶屋に向かった。12時37分峰の茶屋到着。峰の茶屋から茶臼岳北面のトラバース道をたどって牛ヶ首へ。良く整備された道だ。

大きな岩がのしかかるように聳えている。

牛ヶ首(13時7分)から姥ケ平へ。姥ケ平に13時29分到着。

土石流の後に新しい植生が育っている。姥ケ平から200mほど歩いたところにひょうたん池がある。ここは茶臼岳北面の絶景ポイントだ。

いたるところに咲いている更紗満天星(サラサドウダン)の赤く小さな花が可憐だ。

遊歩道の脇にはイワカガミの花が見える。

14時51分三斗温泉到着。

三斗温泉には「大黒屋」「煙草屋」の2軒の宿がある。我々は煙草屋に泊まった。煙草屋には露天風呂があり、24時間入湯可能だ。

三斗温泉にはテレビもなく、携帯電話もつながらない。夕食は4時半開始なので、食後に露天風呂に入るとお酒を飲むくらいしかやることがない。本当に鄙びた宿だ。露天風呂で一緒になった人から「下山後の温泉は大丸温泉の大丸温泉旅館が良い」と教えてもらった。

明けて6月25日(日曜日)曇。午前4時に起きて露天風呂に入ってからカップ麺で朝食。5時20分登山開始。三斗温泉(標高1470m位)から隠居倉(1,819m)への登りは急だ。特に頂上下が急勾配。6時23分隠居倉到着。茶臼岳がよく見える。

その左手には朝日岳の荒々しい姿が見える。

東に目を向けるとこれから見える三本槍岳が見える。べったとした稜線で没個性的な山だ。

7時32分清水平到着。ここに荷物を置いて空身で三本槍岳を往復した。8時20分山頂。

西側のスカイラインには日光連山が見えた。左のギザギザした峰は女峰山だろう。真ん中に男体山があり、一番高いのは日光白根山だ。

9時に清水平に戻り、一休みした後朝日岳へ。9時58分朝日岳山頂。茶臼岳中腹の登山道を登る人が見える。

朝日岳・峰の茶屋のルートは岩場を通るので多少緊張感があり面白い。登山道はよく整備され浮石もないので、危険はないだろう。

11時30分大丸温泉到着。日帰り入浴は11時半開始なのでグッドタイミング。ビールを飲み、蕎麦を食べながら読んだタクシーを待つ。タクシーは那須塩原駅まで1万円少々だが、4人で乗ると一人2,500円だ。バス代(1,400円)よりは高いが、かなり早く着くので人数が多ければタクシー利用がお薦めだ。

梅雨シーズンで天気が気になったが、幸いほとんど雨に降られることもなく(7時過ぎにちょっと降ったが)、快適な登山を楽しむことができた。那須連峰はこじんまりとした山だが、山麓の懐は中々深い。ロープウエイを離れて茶臼岳を一回りするだけでも色々な山の顔が見えて楽しいだろう。

 

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