昨日(6月27日)の米国株は久しぶりに大きく下げた。ダウは99ポイント(0.46%)、S&P500は19ポイント(0.81%)下落。一番大きく下げたのはナスダックで100.53ポイント(1.61%)下落した。
ナスダックでは、欧州委員会から独禁法違反で27億ドル相当(3千億円)の罰金を命じられたアルファベット(グーグルの親会社)が24ドル(2.47%)値を下げたことが大きかった。
ECBのドラギ総裁の発言が「将来的に欧州中銀が緩やかに金融緩和策を終了させる」ことを示唆していると解釈されたことも欧州株安につながり、米国株にも影響を与えたようだ。
という具合に昨日だけを見ると米国株のボラティリティは高まったが、昨日WSJにはIf you think stocks are dull, look at the economyという記事が出ていた。「株が退屈だと思うなら経済を見なさい」ということだ。
記事の趣旨は「今月末で終わる第2四半期のS&P500の一日の値動きの幅は0.3%で過去半世紀以上の間で最も変動幅が少ない」「株式のボラティリティが低い背景には、経済活動のボラティリティが低いことがあげられる」「過去3年間の四半期毎の米国の経済成長率の標準偏差(年率換算)は1.5%にとどまっている。これは史上最低の変動率だ」「世界的に見ても経済成長のボラティリティは史上最低水準である」「おそらく経済成長の変動幅が少なくなっていることは、経済成長が減速していることによるものと思われる。経済成長率が低下するとその変動幅が小さくなるのは自然なことだと思われる」
なるほど。政治面での不安定さは世界各地で高まっているが、経済活動はサプライチェーンの活用などで大きな在庫投資などが減り、GDP成長率の各期毎のブレ幅が小さくなっているという説明は説得力がある。
記事は最後に「ボラティリティの低下は投資家のひとりよがりを生む。ものごとが逆に回りだした時の反動は大きい」と警鐘を鳴らしていた。
昨日の株価下落が大きなコレクションにつながるとは私は思っていないが、相場は変動するものだということを知らせてくれたことでは意味があった。