文藝春秋7月号に「70歳からの『スマホ安心8ケ条』」~トラブル事例から学ぶ高齢者の賢い利用法という記事がでていた。
記事によると65歳~69歳の35%、70歳~74歳の23.5%がスマートフォン(私はスマホという略語が嫌いなのでスマートフォンと書く)を所有している。シニアと呼ばれる世代の3,4人に1人はスマートフォンを持っているということだ。
私の仲間の仲間はシニアより若干若く60代前半の人が多いが、仲間内のスマートフォンの普及率は8割近いと思う。
私の仲間というのは、山仲間・スキー仲間・グルメ仲間であり、これらの趣味とスマートフォンの相性が良いので利用者が多いのだと思う。
山・スキーなどのアウトドアでは、静止画・動画を撮り、フェイスブックで公開したり、プライバシーの高い画像についてはフェイスブックの非公開グループ内で共有している。また仲間に次のイベント案内もフェイスブックで連絡している。電池の消耗が激しいという問題はあるが、スマートフォンのGPS機能を道案内やロガーとして使っている人もいる。
「スマホ安心8ケ条」の第1条(購入)は「電話とメール利用だけの人、料金を抑えたい人は携帯電話で十分。何に使うのか購入前に目的や用途をはっきりさせよう」と述べている。私もこの点は賛成だ。既に述べたように、スマートフォンはアウトドア活動に役立つことが多い。高価なカーナビの代替品としても十分役に立つので、ドライブ好きの人にも便利だろう。
ところでスマートフォン本体だけでは、スケルトンの家みたいなものである。アプリケーションをダウンロードして、活用することによりスマートフォンの価値は生まれる。私は使ったことがないので詳しくは知らないが大手キャリアが売っているシニア向けスマートフォンの多くはアプリケーションがダウンロードできないスマートフォンだそうだ。これではスマートフォンを持つ意味の半分以上は失われていると思うのだが・・・
アプリケーションについて「安心8ケ条」は名前の知られたアプリケーションをダウンロードすることを勧めている。この点も賛成だ。
スマートフォンのアプリケーションのダウンロード・削除はパソコンに較べると簡単なので、少し使って使い勝手の悪いアプリケーションはどんどん削除するべきだ。購入時にメーカーがあらかじめインストールしたアプリケーションが入っていることが多いが、これも使わないものはどんどん削除しよう。
便利なスマートフォンだが、利用料金は安くはない。三大キャリアより料金が割安な「格安スマホ」がシェアを伸ばしているが、私は基本的にシニアの方には「格安スマホ」をお勧めしない。通信やITに詳しい人は別だが。なぜなら「格安スマホ」は通信販売が多く、サポート体制が十分でない(といわれている)からだ。
私は自分も含めてシニア層の人は三大キャリアでスマートフォンを買い、店舗でサポートを受けることをお勧めする。
特に料金プランはしばらく利用した後、利用状況を確認して貰いながら、最適プランに見直すことが必要だ。
「安心8ケ条」はシニアはスマートフォンを利用したSNSでトラブルメーカーになりかねないと警鐘を発しているが、この点について私は異論がある。
一つはSNSでトラブルメーカーになるのは、シニアだけか?あるいはシニアの比率が高いのか?という点だ。これについて記載がないので分からないが、若い世代の人でもSNSのルールやマナーを守らないとトラブルを引き起こしている。
次にスマートフォンだけが「コミュニケーション上のトラブルの原因とは限らない」ということだ。
私はスマートフォンによるSNSで暴走を起こす人は対面的な付き合い(サークルなど)でも、我を張りトラブルを引き起こす可能性が高いと考えている。スマートフォンを特に凶器扱いをする必要はないだろう。
また仮に一部のシニアの人がSNS上のトラブルメーカーとなる可能性があるにしても、全体としてシニア層がスマートフォンやSNS利用により受けるメリットははるかに大きいと考えている。
以上のようなことから、私は利用目的がある程度はっきりしているシニア層の方はどんどんスマートフォンを利用するべきだと考えている。
ただ注意しておくべきことはある。最近仲間の1人がフェイスブックのアカウントを乗っ取られるという事件があった。SNSに詳しい人だったので、フェイスブックに相談しながらトラブルを処理したので問題はなかったが。
スマートフォンは便利な道具だが、「紛失する」「盗難にあう」「水に落とすなどで破損する」といったハード面のトラブルに見舞われることやアカウント乗っ取りのようなソフト面のトラブルに遭うことは想定しておいた方が良い。そしてリカバリーの方法もある程度想定しておいた方が良いだろう。このような観点からも私は「保険料」と思い、少し高くても実店舗のある大手キャリアでの購入を薦めている。