金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

内外株式比率は2:8で良い

2018年07月12日 | 投資

今月(8月)の文藝春秋の特集は「『定年後』最強のマネー術」。その中で経済評論家の山崎元さんが「投資するならこの三つの商品」という記事を書いていた。

山崎さんの結論は「個人の資産運用では外国株式インックスファンド・国内株式インデックスファンド・個人向け国債の3つだけを知っていればいい。それ以外の余計な商品を知っていると、むしろ資産運用を間違えやすい」というものだった。

個人向け国債を入れるか債券ファンドを入れるかは意見の分かれるところと思うが、山崎さんが言っていることは概ね正しい。

余計な商品とは、手のこんだ商品であり、仕組みのために投資家は無駄なコストを払わされるから避けたほうが良いというのは全く正しい。

また山崎さんは「リスク資産は外国株式インデックス6割、国内株式インデックス4割の組み合わせが現在のところ最も効率良いと考えている」と述べている。

この点について私は異論を持っている。私の意見は外国株式8割国内株式2割で良いというものだ。

根拠は株式投資はその国の時価総額に合わせて投資するのが良いということだ。厳密にそれに従うと日本株への投資は1割になるかと思うが、そこは自分の国なので少し高めにした。

もう一つはリスクの国際分散である。天災等の災害リスクや今後の人口減少リスクを考えると日本株⇒外国株へのシフトがリスクを分散させる運用だと思っている。

ただし「よく知らない外国株への投資は嫌だ」という人は無理に外国株を買う必要はない。外国に投資して株価や為替の動きに一喜一憂するのはナンセンスである。ただ日本の企業のことは知っているが外国の企業のことは知らないというのは、一種のホームバイアスだろう。

私を含めて本当のところは日本の企業のこともよく知らないのではないだろうか?

どうせ知らないなら長期に渡って増収増益を続けている企業が多い米国株に投資するのも一つの投資方法である、と私は考えている。

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追加制裁でも米株の下落幅は予想よりも小さかった。

2018年07月12日 | 投資

昨日(7月11日)の米国株は、前日遅い時間に米政府が発表した中国に対する追加関税措置が貿易戦争を再燃させるという懸念から大幅に下落した。ダウは219.21ポイント0.9%下落した。

追加関税措置(食料品や衣料品など中国からの輸入品2千億ドルに10%の関税を課す)が発表された後、先物市場は200ポイントほど下落していたので、現物市場が先物市場に歩調をあわせたというところだ。

10日の追加関税措置の相場への影響は、米国外の方が大きいようだ。昨日の日経平均は一時400ポイントほど下落した。その後中東から買い注文などで値を戻し、最終的には264ポイント下落となった。

さて問題は追加関税措置に対する米ダウの200ポイント強の下落を大きいと見るか小さいと見るかである。

CNBCはBob Pisani氏の「追加関税措置に対して株価は思ったほど下落しなかった」「昨日は下落したが貿易戦争懸念の中でS&P500は5月の底値から5%上昇している」という見方を紹介していた。

記事によると最悪のシナリオで貿易戦争は米経済に1,200億ドルのマイナスをもたらすが、米国では今年の所得税等の減税効果2,000億ドル・国の財政支出1,000億ドル・税制改正に伴う多国籍企業の本国送金5,000億ドル合計8,000億ドルのプラス要因があるので、追加関税措置が相場に与える影響は限定的だと述べている。

うがった見方をするとトランプ政権は税制改正で家計と企業の体力を確保した上で、中国の知的財産権侵害問題等に対し強硬手段に出たといえるかもしれない。

日本のマスコミなどでは「関税競争は愚かなことだから話し合いで解決を図るべきだ」などと書いている(書いたところで米中の要人が読むとは思わないが)。だが血を流す戦争にしろ血までは流さない関税措置競争にしろ「話し合いで解決しないから戦争は起きる」のである。

そして戦争の結果でしか解決を図れない争いがあることも事実だ。この現実を忘れた世迷言に目を曇らせると相場を見誤るだろう。

トランプ政権が対中国貿易戦争に備えて税制改正などを行ってきたのかどうかは分からないが、彼らが今は戦える時期だと判断していることは間違いなさそうである。

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