金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

コロナによってビジネス慣行は変わったか?

2020年06月15日 | 資格・転職・就職

今朝の電車はかなり混んでいた。本格的にオフィス通勤者が戻ってきたようだ。東京では今週金曜日から接待を伴う飲食店やライブハウスの営業再開も可能になったので、今日月曜日から会社へ向かう人が増えているのだ。

4月7日の緊急事態宣言から約2ヵ月経過した訳だが、この2ヵ月という日数は人間の行動が変わるかどうか?という点では微妙に日数だ。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで行われたある研究によると人々の習慣が変わるのに要した日数は平均66日だった。変化の対象となった習慣とは毎日果物を食べるとかジョギングなど運動をするというものだった。2ヵ月という自粛期間が人々の習慣を変えるほどの長さであったかどうかは微妙だ。

おそらく軽い習慣の中には変わったものもあるだろう。だが根っこの岩盤のような習慣は簡単には変わるものではない。例えば我々は群れることに慣れている。あるいは群れることに慣らされてきた。だから多くの人は会社に行って群れて仕事をすると落ち着き、自宅で一人で仕事をすることが続くと落ち着かなくなるのではないだろうか?

コロナが社会に与える影響については経済評論家の池上彰氏が今日あるオンラインセミナーで「コロナは社会の変化を加速させた」と述べていた。具体的には「少子高齢化により、数年後には宅配が普及すると見込まれていたがコロナにより普及速度が格段に早まった」という例をあげていた。

しかし変わろう、変えようとしても中々進まないのは、コミュニケーション、仕事の進め方、人事評価などの問題だ。これらの問題は2カ月程度で変えられるものではない。日本の社会は非テレワーク型の社会なのである。

これに較べてアメリカは元々テレワーク型の社会である。国土が広く、コミュニケーションは電話やメールで行われることが多く、face to faceの会議は重要な節目に行わるだけだ。個人個人の守備範囲は明確で、自分の仕事を片付けたらさっさと帰ることが定着している。

だが国土が狭く、face to faceの打ち合わせが習慣化している日本ではテレワークが定着するには時間がかかる。満員電車を我慢しても、オフィスに集まることを選択する人が多いということはビジネス慣行が簡単に変わらないことを示唆している。

行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば人格が変わり、人格が変わると運命が変わる、いう言葉がある。

逆にいうと行動が変わらないと習慣も変わらず運命も変わらないということだ。

 

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