徒然草第百十七段は「友人に向くタイプ向かないタイプ」を論じている。
この段はシニアになってから読むとなるほどと合点がいくところが多い。
兼好法師は「友とするにわるいもの」として7つあげている。
- 地位や家柄があまりに高い人
- 年の若い人
- 病気一つしたことのない頑強な人
- 酒好きの人
- 威勢の良い武士
- 嘘をつく人
- 欲が深い人
会社勤めの間は社内外の地位の高い人と付き合うことも必要な場合があるが、シニアになれば最終職位が同じレベルの人と付き合う方が気楽だ。現役時代地位が高かった人はその名残で酒を飲むにしても高い店で飲むことが多い。自分と同じ経済レベルの人間と付き合うのが気楽でよい。
兼好法師は若者・頑強な人・威勢の良い人を避けている。シニアになると元気一杯の人より病の経験のある人の方が思いやりがあるので友とするのに良いだろう。嘘つきや欲張りが敬遠されるのは古今変わることがない。
良い友の条件は3つだ。
- 物をくれる友
- 医者
- 知恵のある友
このとおりだと思う。ただし相手にも選ぶ権利がある。つまりこちらが3つの条件の一つは満たしていないと友達になって貰えないだろう。この中で一番簡単なのは「物をあげること」だ。少し広げて考えると世話好き・援助好きでいることだ。ちょっとした貰い物があった時などご近所におすそ分けすることなども身の回りに良い友を作る道だろう。
物も情報も欲しがると集まらないが、こちらから与えると自ずから集まってくるものである。