昨日(6月5日)の米国雇用統計は市場予想を大きく上回る堅調さを示した。
先月の非農業部門雇用者数についてWSJの事前調査では830万人の減と予想されていたが、ふたを開けてみると2250万人のプラス。失業率については先月の14.7%から20%に跳ね上がると予想されていたが、13.3%に低下した。
雇用者数が大きく増えたセクターは、飲食・バーで140万人雇用が増えた。これは雇用者数増加の半分以上を占める。
この予想外の雇用統計に株価は急騰。ダウは829ポイント(3.2%)、S&P500は81.6ポイント(2.6%)、ナスダックは198.27ポイント(2.1%)上昇した。
ハイテク銘柄の多いナスダックは史上最高値まであと一歩のところまで値を戻している。
雇用市場の予想を上回る早い回復は景気のV字型回復を予想して株価を押し上げてきた投資家の予想が正しかったことを裏打ちするという声がある。
一方先月ミネアポリスで警官に殺害されたジョージ・フロイドに対する全米的な抗議集会がコロナウイルス感染拡大の第二の波を引き起こすのではないか?などという不安の声も聞こえる。
だが私は多くの投資家やファンドマネージャーは「株価のスパイクリスク」を強く感じたと確信している。
スパイクリスクとは昨日のようにサプライズなニュースで株価が急騰してしまうリスクだ。インデックスをベンチマークとするファンドマネージャーはこのスパイクを逃すとインデックスについていくことが難しくなる。
コロナウイルス騒動は個人の生活、雇用、経済活動等に様々な影響を与えた。
そして投資についてもだ。投資については今のところぶれずに株式投資を続けていた投資家に大きなawardを与えようとしている。