昨日(1月7日)に発表されたアメリカの12月の雇用統計は非農業部門雇用者増は事前予想422千人を大きく下回る199千人だったものの、全体としては雇用市場の堅調さを示すもので、連銀の金融引き締め姿勢に変化はないとマーケットは判断した。
この結果株が売られる一方債券は買われ10年債利回りは1.769%に上昇した。
雇用市場が堅調であると判断された材料はいくつかある。まず過去2カ月の雇用者増が141千人上方修正された。失業率は3.9%に低下し、時間給は4.7%増加した。これはコロナ以前の平均的な時間給の伸びが年3%程度だったことに較べるとかなり高いペースだ。
25歳から54歳の年齢層の労働参加率は79%になった。これは昨年8月より1%上昇し、コロナ前の80.5%に近づきつつある。
年初来の株のパフォーマンスはS&P500が1.9%下落。ハイテクが多いナスダックは4.5%下落と下落幅が大きくダウの下落幅は0.3%に留まっている。
これは投資家の間にハイテク売りの循環株(エネルギー・金融など)買いの動きがある結果だ。今年の年明けは、昨年のコロナ対策相場から正常化相場へのトランジションのため荒っぽい動きが続きそうだ。