先週後半ドル円為替は107円レベルを飛び出し、109円超えまで急上昇した。CNBCのYen's drop-too far , too fast?という記事の中に、RBS証券の為替ストラテジストのコメントがでていた。
It's caught a lot of global investors on the hop.「ドルの急速な上昇(it)は、多くの世界の投資家に不意打ちを食らわせている」という意味だ。
Catch someone on the hopというのは、準備をしていないsomeoneに突然とびかかるという意味のイディオムだ。
On the hopには「忙しく動き回って」という意味の他に「準備しないで、油断して」という意味がある。
市場ではドル円為替は年末までには110円まで円安が進むというのが大方の予想であったから、109円超え自体はそれほど驚くことではないが、円の急落ペース(ドルの急騰)に投資家はついていけなかったということだろう。
為替市場は、米国とそれ以外の経済圏(日本、ユーロ、中国など)を比較して、米国の景気回復が堅調なのに比べ、他の経済圏の景気は弱く、更なる金融緩和が行われると判断して、ドルを先買いしたということだろう。コモディティフューチャー取引委員会によると、ヘッジファンド等の投機筋は314億ドル以上のドルの買い持ちポジションを持っているということだ。
さてこの円安・ドル高は日本の経済・社会にどのような影響をもたらすか?一部の大手輸出メーカーの利益は拡大するが、エネルギー等資源・原材料価格の上昇は、中小企業や消費者を直撃する。消費者の中でも、ドル資産を保有しているものは、資産価値の上昇効果で輸入インフレのマイナスを吸収することができるが、ドル資産を保有していないもの(あるいは輸出企業の株を保有していないもの)にとっては、マイナスのい影響が大きい。
つまり円安は、資産と所得の格差を拡大させるのである。
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