先日、ネパール「死後の世界を感じる世界」への旅という記事を書いたところ、ある読者の方から「釈迦直伝について書かれた本があれば紹介して欲しい」という趣旨のコメントを頂きました。
まず幾つか私が読んでいる本を紹介したいと思います。
一つはアマゾンの電子本Kindleで読んだ「これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに『反応しない』生活」(著者草薙 龍瞬氏)という本です。この本はミヤンマーのテーラワーダ大学で仏教学を学んだフリーの出家僧草薙氏が書いた本で人生の悩みを解決する方法を釈迦の教えにそって解説している本です。
私はこの本をKindle Unlimitedで読んでいます。
テーラワーダTheravadaは日本語では上座部仏教です。私が子供の頃は「小乗仏教」と呼ばれていましたが、これは大乗仏教の上から目線で上座部仏教を見下した言い方ですから今は使わない言葉です。
上座部仏教は、東南アジアに広がっている戒律に厳しい仏教で釈迦の教えそのものに近いと言われていますので、草薙氏が書かれた本は釈迦直伝の教えに近いと私は考えています。
また大乗仏教の中でも、禅宗特に道元禅師が確立した本来の曹洞宗は、かなり釈迦本来の教えに近いだろうと私は考えています。
釈迦の言葉そのままが経典として伝わっている訳ではなく、弟子たちが聞いた言葉が仏典結集という何回かの編集会議を経て、経典となっていきました。
仏教の各宗派は多くの経典の中から自分の考えに合う経典を選び、その宗派の根本経典としていますから、解脱にいたるプロセスは大いに異なります。
その中で私は道元禅師の教え~正法眼蔵~は、釈迦直伝の考え方に近いと私は考えています。
正法眼蔵は講談社学術文庫本で全8巻。量が多く、かつ難解で、私の場合、残念ながら本棚の飾りに過ぎないという状態です。
ただし難解といいましたが、道元禅師は釈迦の教えを禅問答的に難しくして説いている訳ではありません。論理的な文章ですから、じっくり読むと分かってくることもあります。
例えば道元禅師は「仏教を学ぶということは自分を学ぶということなのだよ。自分を学ぶということは自分を忘れるということなのだよ。自分を忘れた時、総てのものごとに教えられるのだよ」と語っています。これは釈迦が説いた八正道~先入観をなくし、ものごとをありのまま捉える~の実践を説明したものでしょう。
釈迦直伝の簡単な手引きが「これも修行のうち」とすれば、「正法眼蔵」はヒマラヤのように屹然とそびえています。
登ることは無理でも時々その裾野を歩いてみたいと考えることはあります。
早速にエントリーまで立てていただきありがとうございます。上座位仏教や禅宗にヒントがありそうですね。 取り急ぎお礼申し上げます。