WSJによると昨日(9月11日)香港株(ハンセン指数)は、ベア・マーケットに入った。ベア・マーケット(弱気相場)入りは前の高値から20%以上株価が下落した場合と定義されている。香港株は今年1月26日に高値をつけていたが、そこから20%以上下落したので、弱気相場に入ったと言われる訳だ。
最近の香港株の下落の直接的な原因は先週トランプ大統領が、中国からの輸入品2,670億ドルに追加関税を課すと発表したことだ。
長引く米中貿易摩擦が香港株下落の大きな原因だが、新興国全般の不振や拡大を続ける中国の債務残高に投資家が懸念を示していることは間違いない。
香港にはアジアで時価総額最大級のIT企業テンセントなど巨大企業が上場している。テンセントの時価総額は今年1月のピークから2千億ドル以上減少した。
米中貿易戦争については、米国が勝利を収め、中国が歩み寄り早晩解決するという見方が多いと思う(私もそう考えている)が、米国株式市場が決着まで待ってくれるかどうかはわからない。
米国経済については楽観的な見方が多いが、株式市場については天井が近いと警鐘を鳴らす人が増えつつあると感じられる。
まあ、株価は上がり続けるものではなく、何時かは下落するものなので警鐘を鳴らしておくと「当たる」ことは間違いないと思っているアナリストもいるのではないか?とややシニカルにも見ているが・・・
リスクが潜んでいるといえば、米国の持続的な政策金利引き上げやイタリアのユーロ離脱の可能性など中国リスク以外にもリスクは多い。
香港株ほどではないが、最近はインド株(SEnsex)も大幅下落が目立ってきた。
新興国市場で出た損失を米国株の売却益で埋め合わせをしようと投資家が米国株の利益確定に動くと米国株も売り圧力に押されるだろう。
何が引き金になるかわからないが、米国株の堅調がいつまでも持続すると考えない方が良い時期が近づいてきたようだ。