金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ハイテク株急落、銘柄選択して投資のチャンス

2018年09月06日 | 投資

昨日(9月5日)米国のハイテク株は大きく下げた。下げ幅が大きかったのはNetflixで6.2%下落。アマゾンやマイクロソフトなども2%下げた。ハイテク株が下落した理由の一つは、投資家が米国・カナダの貿易交渉の行方に様子をみたことや、フェイスブック・ツイッターのCEOが選挙干渉やソシアルメディア・プラットフォームの乱用防止について議会証言を行ったこともハイテク株が売られた理由だ。

おそらく暫くの間ハイテク株は神経質な値動きをするだろうと私は考えている。そしてそのvolatileなマーケットは買いたい株を買うチャンスを提供するだろうと考えている。

順調な景気や労働市場を考えると、ITの力を活用して、企業の生産性を高めたいと意欲は強い。ここはハイテクを一括りで考えるのではなく、ビジネスに強い銘柄をピックアップするチャンスだと私は思っている。対象銘柄の一つはマイクロソフトだ。もっともこれはあくまで自分のポートフォリオ戦略に基づく個人的な意見なので、聞き流しておいて頂きたい。

株式投資である程度のパフォーマンスを上げるには、「人の意見を聞く」ことと「人の意見を聞かない=自分の道を行く」ことのバランスだろうと私は考えている。人の意見を聞かないという意味では、証券会社の一般的な意見はあまり聞かない方が良い。なぜなら一般的の証券会社はマーケットが天井近くなったところで、買いを推奨し、新しい投資信託をローンチすることが多いからだ。

政府の意見も眉につばして聞く必要がある。「官民あげて脱貯蓄に動く」などという話も落ち着いて考える必要がある。政府の狙いは個人資金を日本株投資に振り向けて、企業に成長資金を提供しようというものだ。

老後資金の準備等に預金から株式投資に資金を振り向けることは賛成だが、振り向ける資金で日本株を買うという発想には疑問が残る。理由はリスクを日本に集中しすぎるからだ。例えていえば、ある会社に勤めて給料をその会社から貰いながら、投資としてもその会社の株を買い続けるようなものだ。万一会社が倒産すると、給料の出処も運用資産も同時に失うことになるからだ。

このような観点に立つと、公的年金を貰いながら(あるいは貰うことを前提にして)総ての資産を日本国内で運用するというのは、リスク分散の上で好ましくない。

政府の意見などというものは、真意を探りながら聞くべきものである。

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米、ネットショッピング好調で配送要員需要が急増

2018年09月05日 | 社会・経済

昨日(9月4日)の米国株式市場は小幅安でぱっとしなかった。明るい話題はアマゾンの株価が上昇して、同社の時価総額が1兆ドルに乗せたことだった。

アマゾンの時価総額は今年1月6千億ドルだったから半年強で時価総額が7割近く増えたことになる。

アマゾンの株価を急速に押し上げている要因は、AWS(クラウドサーバービジネス)だと思うが、社会全般に与える影響はネットショッピングの隆盛だろう。

分かりやすくネットショッピングと書いたが、これは和製英語で英語ではE-Commerceかonline shoppingという。

それはさておき、WSJにEコマースの隆盛が、フルフィルメントセンター(配送センター)やドライバーへの需要を押し上げているという記事がでていた。

商業用不動産ブローカーCBERのレポートによると、このセクターの雇用者増は2017年には18万人だったが、今年・来年の雇用者増は22万6千人になると見込まれる。

雇用市場がタイトな米国では、配送関係の人員を確保するため他の業界からの引き抜きや、より労働力が得やすい地域に配送センターを移転するような動きがでているとレポートは報じている。

配送センターは大消費地に近いほど便利なので労働コストが安いからといって田舎に移すことにはアマゾンなどオンライン業者にとっては頭の痛い問題だろう。

そこで配送センターの自動化も喫緊の課題になる。

米国の配送センターはアジアや欧州の配送センターに較べると自動化が遅れているというので改善の余地はありそうだ。

以上は米国の話だが、投資の観点からは次のようなことは頭の隅に入れておきたいと思う。

一つは倉庫・物流の自動化を手がけているメーカーには今後とも需要が期待できるということだ。

またeコマースが日本でも一層活発になれば、配送センターの需要がさらに高まるだろう。

マクロ的にみると物流リートは手堅い投資になると思う。もちろん買うタイミングは個別の株価によるだろうが。

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「生涯現役」に必要なものはもっと自由な雇用制度とメタ学習

2018年09月04日 | ライフプランニングファイル

今日(9月4日)の日経新聞長官(ネット)のトップは、安倍首相の「生涯現役制度に向けた雇用改革」。自民党総裁選挙で安倍首相が勝てば最初の1年で「継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる」など具体策を検討する予定だそうだ。

仮に法律を改正して雇用年齢を65歳以上に引き上げることができたとして本当にそのような制度が良いのかどうか?実際に機能するものなのかどうか?素朴な疑問を持った。

まず働く側の立場として「一生涯働かないといけないの?退職後には仕事以外にやりたいことがあるのだが」という生きがい論からの疑問が起きる。

安倍首相は働き続けることを「生涯現役」といっているようだが、働く=お金を稼ぐことだけが現役ではあるまい。ボランティア活動や趣味の世界にも現役というものはある。

アクティブなシニアはそれぞれの分野で現役だと私は考えている。働いている人=お金を稼いでいる人だけを現役と考えるのは、貧相な発想だと私は思う。

その解決方法は「働きたい人はいつまでも働け、リタイアしたい人は一定年齢でリタイアできる」という定年制度がない社会を作ることなのだろう。

日本で定年制度を廃止することは極めて難しいという議論があることは百も承知の上で理想論をいうと、米国のように定年制を廃止するのが好ましい。

米国に定年制がない理由は明快で「定年制が年齢による差別」であり、勤労者を性別・出身地などの属性で差別してはいけないという雇用の基本理念に抵触するからだ。

ただし事実上は米国の厚生年金(報酬比例分)に相当するソシアルセキュリティが支給される66歳を節目にリタイアする人が多い。

なぜなら多くのアメリカ人はリタイアした後に「海外旅行」「別荘地に移り住んでゴルフ三昧の生活」「ボランティア活動」などやりたいことを沢山抱えているからだ。リタイアして自分のやりたいことをやることで生涯のワークライフバランスが完成する訳だ。

もっともアメリカ人の中にの66歳以降も働く人はいる。年齢による雇用制限はないから能力が認められる限り働き続けることは可能だ。

本当はこのような制度が望ましいのだろう。このような雇用制度に変えようとする時立ちはだかるのが「給与テーブル」という壁ではないか?

多くの日本企業は定年再雇用時に「定年前の年収の何割」という給与の決め方をする。そして定年前の年収は、基本給テーブルをベースにして決まっている(職務給が上乗せされるが)。

このテーブルベースの給与システムを改めて、その時々の「雇用される能力」employability をベースに給与を決める方法を採用することが生涯現役制度には必要なのだろうと私は思う。

さてemployabilityについて考えると「長期間にわたっていつでも雇用される能力」を維持することは難しい。

技術環境や消費者のニーズに合わせて必要とされる能力は変化していくからだ。そのような変化に合わせて自らの雇用される能力を変えていく能力がないと生涯現役を続けることは難しい。

雇用される能力を変えていくには学習を続けるしかない。そのためには若い時から学習する方法を学習するメタ学習が必要なのである。

以上のように考えると1年程度で法改正をしたとしても、多くの人が生涯現役で働き続けるような社会を実現することは難しいのではないか?と私は考えている。

 

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プロジェクト・プランナーとしての夏

2018年09月03日 | うんちく・小ネタ

朝の電車が少し混んできたような気がする。夏が終わり仕事や学業に戻る人が増えてきたのだろう。

私もまた朝から顧問先に顔を出すことが増えてきた。実は今年の夏の初めから顧問先で「プロジェクト・プランナー」的な仕事を引き受けている。

プロジェクトの内容は本社の移転に伴い、IT基盤を強化して(例えば無線LANの充実)デジタルトランスフォーメーションを図ろうというものだ。

プロジェクト・プランナーというのは、プロジェクトの大きな方向に絵をかいて関係者の意識をまとめていく仕事と考えてよいだろう。

プロジェクトマネージャーが実際の工程管理に力を発揮するのに対し、プロジェクト・プランナーというのはもう少し大枠の話を考える役割ではないか?と私は考えている。

ところで今年は3回夏山に行ったが、天候やメンバーの体調から計画通りの登山をできなかったことが多かった。

たとえばかなりの大人数で出かけた日光白根山登山。台風の影響でロープウエイが運休し、登山はもとより山頂駅付近のお花畑の散策もできなくなった。

日光近辺を観光して帰ることになったが、東照宮近辺は多くの人が複数回訪問していて新鮮味がない。

そこで私が提案したのが、大谷石の地下の石切り場を見学する大谷資料館の見学とそこから車で40分ほど北に行った古峰ヶ原の古峰神社の参拝だった。

古峰神社では精進料理を頂くことにした。

二十数名の参加者の内、大谷資料館に行ったことのある人は1名、古峰神社を参詣したことのある人はゼロだったのでこのプランは好評を博した。

登山や観光旅行も一種のプロジェクトだ。プロジェクトは外部要因によって当初の目標を達成できない場合がある。この場合代替プランによって参加者の満足度を最大化するのがプロジェクト・プランナーの腕の見せ所だろう。そのためのスキルは幅広い経験と柔軟なものの見方だ。

他の2つの登山では参加者の体調不良から途中で引き返しや大幅な遅れが発生した。これは猛暑や天候不順による体調不良や高齢化による体力低下が大きな原因だと思われる。

この場合も登山プランの柔軟な組み換えが必要だった。ポイントは個々の参加者のモチベーションを低下させないことだろう。一度や二度の体調不良で今後の山登りが嫌になるようなことがあってはいけないのだ。

デジタルトランスフォーメーションであれ、登山・観光プランであれ、外部要因や内部要因により当初計画の変更を余儀なくされることは多い。

その時いかに代替プランを出して、悪い環境下でリカバリーを図るか?というのがプロジェクト・プランナーの腕の見せ所なのだ。

良いプロジェクト・プランナーになろうと思う気持ちは、私にとって幅広く雑学を学ぶことや柔軟で人に優しい人間であり続けたいと思うことのモチベーションになっている。

 

 

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旅雑誌の処理にスキャナーが助けになる

2018年09月02日 | うんちく・小ネタ

現在私はノジュールのような有料旅雑誌は購読していませんが、大人の休日倶楽部から毎月2冊旅雑誌が送られてきます。またメンバーになっているモンベルからも季節の変わり目に雑誌が届きます。

これらの雑誌の中には「今すぐ行くわけではないけれどいずれ行きたいので保存しておきたい情報」というものがあります。

このような情報をどう保存しておくと便利か?

「必要と思うページだけ切り取っておく」「雑誌全体を保存していく」という方法がありますが、後者にはスペースを取る・欲しい情報をすぐ取り出せないという問題があります。前者の問題点は切り取りに手間がかかる・不要と思って捨てた情報の中に役に立つ情報があったことがわかり残念な思いをすることでしょう。

そこで私は雑誌まるごとスキャンして保存する方法を取っています。

スキャナーを購入した目的は雑誌の保存ではなくて、NPO法人の書類整理が目的だったのですが、現在では「雑誌やカタログ・取扱説明書の保存」「確定申告に必要な書類の保存」(ただし医療費領収書は現物を保存しています)「同窓会名簿など各種名簿の保存」などに広く活用しています。

スキャナーはエバーノートと連動するスキャナーを使っていますので、取り込んだ文書は自動的にエバーノートに保存されます。

エバーノートの長所は「ファイルの中身まで検索する強力な検索機能」です。活字データであればまず100%検索することができます。

つまり旅情報~例えば「SLが走っている路線」など~を「SL」「路線」などに分けて検索するとそれがどの雑誌にあっても、すべて一度に検索することが可能なのです。

ということで日頃あまり使わないけれど時々必要になる情報~たとえば「電波時計を海外で使う方法」など~の保存と取り出しには重宝しています。

誠に便利なのですが、蓄積した旅情報を旅行の都度活用しているか?というと必ずしもそうではありません。

それは旅行の前にインターネットで情報を集めることが多いからです。なぜならインターネットの方がより広範に新しい情報を集めることができるからです。

ということは旅雑誌というものは、余程貴重と思われる情報~つまり頭に残る情報~以外は捨ててしまって問題ないのではないか?とも考え始めています。

多少敷衍していうと、「これは重要!」と思う情報の多くは何らかの方法で入手できるものが多く、時間とコストをかけて保存する意味が少ないかもしれません。

ただ保存しておかないと不安なのが、人間の性(さが)。その不安を解消するためには暫く私はスキャナーによる旅雑誌の保存を続けるでしょう。

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