金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

株は少しづつかじるように買うべし

2019年08月07日 | ライフプランニングファイル

昨日(8月6日)の米国株は、ダウが311ポイント1.2%上昇、S&P500も1.3%上昇と大幅反発。昨日のアジア時間で中国が元のフリーフォールに歯止めをかけたことで、米中貿易摩擦の悪化が緩和すると投資家が判断したことによる。

昨日のブログで紹介したが、過去の株価急落時の学習効果から押し目買いが入り、相場が反発した訳だ。

この反発が持続するかどうかは分からないが、楽観的な見方をする人が増えていることも事実。

WSJはU.S. stocks regain ground, Yuan stabilizesという記事の中で、顧客に"Nibble at stocks"を勧めているファイナンシャル・アドバイザーが先週金曜日や今週月曜日の相場は買い場を与えてくれたと述べていると書いていた。

私はNibble(かじる)という言葉をこれまであまり目にしなかったが、相場の格言として面白いと思ったので紹介した次第。

オンライン辞書を見ると、文例としてThe rabbit was nibbling at a carrot「ウサギはニンジンをかじっていた」とある。

相場の格言とすれば、押し目買いをするにしても、一度に大量に買うのではなく、ウサギがニンジンを少しずつかじるように細目に買いなさいということだろう。

もっともnibbleにはawayという前置詞を伴って財産などを費消するという意味もある。

Inflation nibbled away his fortune「インフレが彼の財産を少しずつ減らしていった」という文例があった。

Buying the dip nibbles away his fundとならないように気を付ける必要がある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国株大暴落、さて次に何が起きるか?

2019年08月06日 | 投資

昨日(8月5日)の米国株は、米中貿易戦争の激化から大幅に下落。ダウは767ポイント2.9%下落。S&P500は3%、ナスダックは3.5%下落した。株安はアジア市場で始まっていた。人民元が11年ぶりに1ドル=7元を割る安値を付けることを中国政府が容認したという見方が広まり、ハンセン指数は3%近く下落し、日経平均も1.7%以上下落していた。またダウ先物もアジア時間で大きく下げていた。

米国株はトランプ大統領が中国から輸入される消費財についても10%の関税を課すと発表してから、下落を続けていたが、中国が人民元安という武器を発動したことで、貿易戦争がますますエスカレーションするという懸念が高まり、完全にリスクオフモードになった。

恐怖指数と呼ばれるVIX指数は昨日1日で40%近く上昇し、24.59に達した。

お先真っ暗な状況だが、CNBCは興味深いデータを紹介していた。

それは2009年以降の長い上昇相場の中で1日で株価が2.5%以上下落した日は30日あるが、平均すればその翌日に株価は0.27%戻し、5日後には2.3%戻り、1カ月後には4%戻したというデータである。

つまり株価が急落した時に押し目買いが入り、株価は反発したという話である。

さてこのBuy the dip(押し目買い)というマントラが今回も通用するかどうかは分からない。なぜなら今回の下落は、世界経済が成長から景気後退の転換点にあるかもしれないからだ。

関税強化というトランプ大統領のカードに対して、人民元安というカードを切った中国。

今ボールは再びトランプ陣営に戻ってきた。ここでトランプがどうでるか?に相場の行方はかかっている。

そして強い株式市場で支持率を維持してきたトランプ大統領の支持率と再選もまた彼の次のカードにかかっているというべきだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏雲湧く日光白根山

2019年08月05日 | 

昨日8月4日(日)日光白根山2,578mに登山。

前日は丸沼のペンションRegent Houseに泊まり、ロープウエイで登山口へ。山頂駅付近にはコマクサが沢山咲いている。

後知恵だが、山頂駅の高山植物園を見学してから山頂を目指すべきだった。高山植物の名前を覚えることができるからだ。

8:28 二荒山神社を出発

10:44森林限界到着 標高は約2,400mだ。

日差しは強いが風が心地よい。ここから山頂までは40分の登り。山頂に近づくと巨岩がゴロゴロして高山の雰囲気が高まる。

振り返ると大勢の登山者が登ってくる。日光白根山は人気の山だ。

10:44 山頂到着

しばらく休憩した後、座禅山に向かって下山開始。下山口を見つけるのに若干手間取った。座禅山への下山路は急なガれ場の降りで少し神経を使った。

右手に弥陀ケ池が見えてくると座禅山は近い。

12:21座禅山の木陰の中でランチ。降ってきた道を振り返る。結構急な降りだった。

13:40 ロープウエイ山頂駅に到着。アイスクリームを食べて疲れを癒した。

暑かったけれど充実した夏の一日だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トランプの脅しが勝つか?習近平の忍耐が勝つか?

2019年08月02日 | ニュース

昨日(8月1日)トランプ大統領は、唐突に「9月1日から中国からの輸入品3千億ドル分に関税をかけるだろう」と発表した。

中国からの輸入品2千5百億ドル分については既に関税がかけられているが、9月1日から関税対象になるのは、スマートフォン・衣料品・玩具といった消費財なので、消費者の懐への影響は大きい。

この突然の動きに朝方前日のマイナス分を取り戻す勢いだった株式市場は大幅下落に転じ、ダウは結局281ポイント1.1%下落した。またオイル価格は8%も下落。

上海で行われていた米中高官会議は具体的な成果を上げることができず、トランプ大統領は「中国は米国から大量の農産物を買うと約束しながら、輸入を増やしていない」「習主席は(麻薬の一種である)合成オピオイドを米国に販売することをやめると言いながら実行していない」などと不満を述べていた。

9月1日から関税が引き上げられるとなると米国の消費者の懐への影響も大きいが、中国経済へのダメージも大きい。

果たしてトランプ大統領は本当に関税を引き上げるのか?それとも中国から譲歩を引き出し、交渉のテーブルにつかせるブラフなのか?

米国内では共和党支持者の約3/4が中国への関税を支持し、民主党支持者の約3/4が関税に反対する状況になっている。

中国政府としては、大統領選挙で民主党候補が勝つことを期待して、少しでも貿易交渉を長引かせたいというのが本音だろう。

トランプ大統領の脅し作戦が勝つのか?それとも習近平主席の忍耐作戦が勝つのか?

いずれにせよ米中貿易問題で揺れる8月の相場はボラティリティが高まることは間違いなさそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パウエル連銀議長、市場の貪欲さに応じず

2019年08月01日 | 投資

昨日(7月31日)米連銀は10年半ぶりに政策金利を引き下げた。引き下げ幅は大方の予想通り0.25%だった。パウエル連銀議長はFOMC後の会見で、今回の金利引き下げは金融緩和サイクルの始まりではない、連銀は引き続き経済データに注目していくと述べた。

なおFOMCではカンサスシティ連銀総裁とボストン連銀総裁が金利引き下げに反対した。エコノミストの中には今回の金利引き下げが全員一致でなかったことを注目する人がいる。

パウエル議長のコメントの後株は売り込まれた。一時ダウは400ポイント以上下落して、最終的には333.75ポイント1.2%の下落となった。

市場参加者は貪欲なもので、連銀から更なる金融緩和の声を聞きたがっていたが、パウエル議長は緩和期待に水を差した。

株式相場の材料はいったん金利引き下げを離れ、米中貿易交渉に向かうだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする