金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

株価回復を狙って、トランプ政権が関税引き上げを一部延期

2019年08月14日 | 投資

昨日(8月13日)米国株は急反発。ダウは372ポイント1.4%上昇。S&P500、ナスダックもそれぞれ1.5%、1.9%上昇した。

上昇した理由は、トランプ政権が突然「スマートフォン、ラップトップ、玩具などクリスマス商戦の対象になる中国からの輸入品に対する10%関税を12月15日まで延期する」と発表したことによる。

これらの商品の昨年の輸入額は1,560億ドルだから、当初予定されていた関税対象3,000億ドルの半分以上が課税を延期されることになる。

トランプ大統領は「クリスマス商戦の対象になる商品に課税することの影響を考えて、延期を決定した」とリポーターに語っている。実際のところ、クリスマス向け商品は既に米中業者間で売買契約済なので、9月に関税が課せられると輸入業者がそのコストを負担するか消費者に転嫁するかのいずれかになるので、経済界からは課税反対の声が強く上がっていた。

ただしWSJは「この意思決定に詳しい複数の高官によると、米中貿易緊張の影響で市場のボラティリティが高まり、株価が急落していることも一部の商品の関税延期に影響を与えている」という見方を示していた。

また米中間では来月ワシントンで交渉再開の準備が進められているが、関税の一部延期が貿易問題決着のポジティブな兆候と判断するのは早計だろう。株式相場を支持率のバロメーターと考えるトランプらしい行動と見ておく方が間違いがなさそうだ。

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米中貿易問題、9割のエコノミストが「戦争」に同意

2019年08月13日 | 英語・経済

昨日(8月12日)米国ダウは一時462ポイント下落し、その後若干値を戻し、389ポイントマイナスで引けた。アナリストたちによると、明らかな下落要因はなかったが、長期金利の下落が景気後退感を醸成し、株が売られたようだ。

債券と株式の市場にプレッシャーを与えているのは、米中貿易交渉問題である。

ゴールドマンザックスによると、米中貿易交渉の見通しは「崩壊」collapsedであり、2020年の米大統領選挙前に貿易協定締結はなかろうということだ(WSJによる)。

ところでWSJはこの米中貿易交渉の状態をどう表現するのか?ということに関するエコノミストたちへの調査結果をまとめていた。

8月初旬現在で87%のエコノミストが「貿易戦争」trade warという言葉に同意している。

1年前の調査では50%のエコノミストが当時の米中貿易交渉を「貿易戦争」と言い、50%のエコノミストは「貿易小競り合い」trade skirmish、「貿易緊張」trade tensins、「貿易戦闘」trade battle、「貿易紛争」trade disputeと表現した。

なお「貿易小競り合い」から「貿易紛争」は、同義語synonymとして使われているので、これらの言葉の間にどれほどのニュアンスの差があるのか?などと悩む必要はない。

簡単にいうと「戦争」warか「戦闘」battleの違いと考えて良いだろう。戦争は全面的な戦いで戦闘は局面的な戦いである。

なお記憶によれは戦前の日本では宣戦布告をするのが「戦争」で、宣戦布告なき軍事衝突は「事変」と呼んでいた。

満州事変や日華事変は宣戦布告がなかったので、日本では「事変」と呼んでいる。「事変」は英語ではincidentなので、日華事変はChine Incidetという。ただし括弧書きでChina-Japan Warと説明される。つまり呼び名はどうあれ実態は「戦争」であったということだ。

話を米中貿易戦争に戻すと、当初は「小競り合い」で決着すると思っていた人が多かった貿易交渉は全面戦争の様相を呈しているということだ。専門家といえども、事態の重要性を軽視する傾向があることの一つの証(あかし)かもしれない。

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湧水の落合川を歩く

2019年08月12日 | まち歩き

先日「アド街ック天国」で東久留米市を取り上げていた。東久留米市で有名なのは、東京で唯一「平成の名水百選」に選ばれている「落合川と南沢湧水群」だ。自宅から4㎞ほどのところにある落合川は何度も訪れているが、テレビで取り上げられた機会に写真を撮りに行った。

まず最初に笠松坂を下ったところにある多聞寺に参詣した。多聞寺のご本尊は毘沙門天で東久留米七福神の一つでもある。

山門は江戸時代のものだが、本堂は新しいものだ。

南沢湧水群へ歩いていくと途中に氷川神社がある。小ぶりだが美しい神社である。

南沢湧水群にはペットボトルで水を汲みに来ている人が何人もいた。

私は清流を撮影。清流の涼しさを表現するために、ホワイトバランスを「電球」にして青さを強調した。

落合川の本流に戻って、足を濡らしながら、流れを撮影。遠くに出かけなくても、東久留米市では落合川で涼をとることができる。うらやましい限りである。

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エアコン、スマホ遠隔操作に一汗

2019年08月09日 | デジタル・インターネット

去年買い替えたパナソニックのエアコンには、スマートフォンからの遠隔操作機能が付いている。

昨年は利用しなかったが、今年は日中家人共々家を空けることが多いので、遠隔操作を使うことにした。

外出先から帰宅時間に合わせてエアコンを点けるためだ。スマートフォンからエアコンを操作する道具立てとしては、無線LANがあることが必要だ。また昨年ダウンロードしたアプリも入っている。ただしパスワードは忘れていたので、再設定。

さあ、準備OKということで接続を試みるが中々上手くいかない。説明書を見ながら2,3回試みるが、それだけで汗をかいてしまった。そこで説明書に書いてある窓口に電話。この手の番号はつながらないことが多いなぁ、と半分あきらめ気味だったが、なんと直ぐつながり、しかも窓口の男性が的確に指示してくれたのであっという間に問題が解決し、スマートフォンからエアコンのon/offや温度調整ができるようになった。また外出先からエアコンの稼働状態を監視することもできる。

これで暑い時間帯の外出OKだ。

昨今高齢者が自宅の中でエアコンを点けずに熱中症になったというニュースが流れる。離れて暮らすご家族の方がスマートフォンで高齢者の方のエアコンの稼働状況をモニターすることが可能だから、このような機能を持つエアコンを利用することで事故を防ぐことはできそうだ。ただし高齢者のご自宅には無線LAN環境がないことが多いだろうから、もう少し接続方法を簡単にする必要があるだろう。スマート家電はすぐ近くまで来ているが、使いこなすのは楽ではない。

パナソニックの窓口の対応が良かったのは、ひょっとすると私と同じように接続設定で苦労する人が多いのかもしれない、などと考えた。正しいかどうかは分からないが。

 

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人民元相場が株式相場を動かし、株式相場が大統領選の鍵を握るとすれば

2019年08月08日 | 投資

昨日(8月7日)の米国株式市場は、債券金利の急落を受けて、大幅に下落したものの、引けにかけて債券金利が上昇して、株価も戻るという慌ただしい動きだった。CNBCの記事を読むとトレーダーたちが注目していたのは人民元相場だった。人民元が対ドルで下落すると、トレーダーたちは中国政府が貿易戦争の長期化を図り、上昇ないし安定すると中国政府が貿易戦争の早期決着を図るという読みだ。

少し前までトランプ大統領が、米中貿易戦争の主導権を握っていると考えられてきたが、彼が3千億ドルの輸入品に10%の関税をかけると発表した後、主導権は一旦中国に移ったかのように見える。

中国政府は米国から農産物の輸入を見合わせることで、トランプ大統領の支持基盤である中西部の農家や工作機械メーカー(ディアなど)に揺さぶりをかけている。

中国政府の戦略は、トランプ大統領との貿易交渉を引き延ばし、彼の再選を妨げるような行動にでることにある。

景気拡大と株高に支えられたトランプの支持率は、景気後退と株安により低下し、再選の見込みがなくなるという読みだ。

ただし中国にとってこの戦略は危険なかけでもある。何故なら元安政策は米ドル建て借入が多い企業の元利払い負担を増加させるし、貿易戦争の長期化は中国経済の一層の減速を意味し、政権基盤を揺るがす可能性があるからだ。

相場はファンダメンタルから離れ、予想が難しくなった。多くの投資家が予想が難しいと判断するとリスクオフになり、下押しとボラティリティの上昇という悪循環が起きる。

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