コロナウイルスが米国のデジタルコマース化を加速している。
このグラフはWSJから借用したものだが、今年に入って小売売上高に占めるeコマースの割合が急増していることがひと目でわかる。日本でもコロナの影響でeコマースの割合が増えていることは間違いないが、eコマースへのシフトの速度は米国の方が早そうだ。
この米国の消費者行動の変化を理解しておくことは、米国株に投資する上で非常に重要なことだ。デジタルコマースの波に乗ることができた企業は生き残ることができるが、波を捉えることができなかった企業には衰退と破綻がまっているからだ。
WSJのPandemic speeds American's embrace of Digital Commerceによると
コロナ以降オンライン・ストリーミングを始めた(または増やした)人は約39%に達している。同様に食料品の宅配が25%強 レストランから料理の宅配が23%、レストランのカーブサイドピックアップが25%、店のカーブサイドピックアップが20%とそれぞれ増加している。
カーブサイドピックアップcurbside pickupというのはオンラインで注文しておいた料理や商品を自分の車で行って受け取ることだ。「商品の店先受取り」なのだが車で行くところがアメリカらしい。
この記事によると消費者は必要に迫られて2,3回習慣を変えると新しい習慣に馴染んでいくことができるという。
私の家の近所の食品スーパーでも支払いを機械化(現金またはクレジットカードを機械に挿入する)したところがあり、最初は少し混乱したようだが、今では整然と流れている。
もっともスーパーでも消費者が商品のバーコードを読み込み支払いまで行うセルフレジについては敬遠している人も多いようだ。
イオンなどで導入しているセルフレジは慣れると便利(有人レジより並んでいる人が少ない)なのだが、敬遠している人には最初の利用に抵抗があるようだ。
話が脇にそれたついでに自分のことを書くと私は夏ごろに長年利用していたスポーツジムをやめた。マスクをしてランニングや自転車漕ぎをするのが、息苦しかったからだ。そしてその替りの運動としてサイクリングを増やすためe-bikeを買った(以前からクロスバイクは持っていたので、楽に走ることができるe-bikeに乗りたかったという”不純な”動機もあった)。
私の場合本やコンピュータ関連品(インクなど)は以前からオンライン購入が中心だったので、コロナが大きく生活習慣を変えたのはスポーツジムを止めたこと位だ。
消費者一人一人の行動は様々でまた一人の影響力は小さい。だが消費者をマスで考えるとその行動の変化は大きなうねりとなり社会や経済を変える。
パンデミック(コロナ)とデジタルシフトとエコシフトがこれから5年10年の基調となるだろう。たとえばコロナとデジタルの関係でいうとクレジットカードのタッチ決済を選好する人が増えている。ここ1,2年という短い期間で考えると他人やものとの接触をできるだけ回避する「接触回避」もビジネスチャンスだろう。