派遣社員がテレワークを認められず、裁判発展するケースが出ているというニュースがあった。
こんなニュースを見ると現在の日本ではテレワークができることは正社員の特権なのかもしれない、という気がしてくる。
ニュースの中で派遣社員にテレワークをさせない理由の一つに「情報漏洩対策が難しい」と述べていた会社があったが、正社員にはテレワークで情報漏洩が起きない対策を構築していたのだろうか?という疑問がわく。恐らく正社員は長期勤続を前提に勤務しているので会社に対する忠誠心が高いという性善説をベースに判断しているのだろうと私は考えている。
だがそろそろ出社型勤務vsテレワークという二者択一的発想は止めた方が良いだろう。テレワーク先進国アメリカの状況を見ると、これからは出社型勤務とテレワークの中間系つまりハイブリッド型勤務がかなり増えることが予想される。つまり週の内2,3日出社し残りは在宅勤務という働き方だ。
在宅勤務をHome officeと呼び、出社勤務をOffice officeという呼び方も出ているようだ。これに伴って会社の席の在り方も変わってくる。以前のように一人一人に一つの机と椅子が与えられていたオフィスから、フリーアドレス型に変わっていく。ところでこのフリーアドレスは和製英語なので、おそらく外国人には通じない。アメリカでは一つの机をシェアするオフィス形態をHot deskingと呼ぶようだ。
これは会社にとってオフィススペースの削減につながる。ミーティングや会議はMicrosoftのTeamsやGoogleのWorkspaceを使うので、出社しても在宅でも同じように参加できるので効率は変わらない。ちゃんと運用すればだが。
つまり出社勤務であれ、在宅勤務であれ、ちゃんと成果を上げるならばどこから勤務しても良いという時代が近づいているのだ。
派遣社員がテレワークになじむかどうかは、その仕事が頻繁に対面での指示を受けないと遂行できないものなのかどうかにかかっているというべきだろう。頻繁な指示はテレワークになじまないが、ある程度任せることができる仕事はテレワークで対応可能なはずである。
もっとも人に仕事を任せてその成果を管理するにはマネジメントスキルが必要なので問題は派遣先のマネジメント能力にあるのかもしれないが。