昨日の米国株市場はダウが306ポイント上昇し、ナスダックが301ポイント下落した。上昇と下落のポイント数は同じようなものだが、そもそもの水準が違うので率で見ると差は大きい。
ダウの上昇幅は0.97%でナスダックの下落幅は2.41%だった。
ナスダックは2月12日の高値から10%以上下落したので、テクニカルにはコレクション入りつまり調整局面に入った訳だ。
ナスダックが急速に値を下げた原因は長期金利の急上昇と言われている。
金利が上昇すると成長株の魅力が薄れると金利が上がると借金の多い会社は利払い負担が大きくなるなど色々説明している人が多いが、もう一つ腹落ちしない。
ナスダックには色々な企業がある。たとえばマイクロソフト。ナスダックとニューヨーク証券取引所双方に上場しているが、財務体質が強固なことでは米国一(2つしかないAAA企業の一つ)だ。つまり少々金利が上昇したところでびくともするような企業ではない。もっともナスダックにはテスラのような借金体質の新興企業が多いことも事実だが。
言いたいことは2つある。
一つは金利上昇の売りには、売りの口実探し的な一面がある。つまりナスダックの上昇が大きく一旦利益を確定して、出遅れている割安株に投資したくなったので投資家は材料を探していた。それがコロナ収束による景気回復で割安株の上昇が見込まれるので、割安株への資金シフトだ。
下のチャートは過去1カ月のダウとナスダックの値動き。ナスダックの下落が目を引く。
だが5年の期間で見るとまったく違った風景が見える。ナスダックの好調ぶりがダウを圧倒している。
私はナスダックの下落は成長株購入のチャンスを探している人に絶好の買い機会を提供すると見ている。米国経済のリカバリーに自信を持っているのであればナスダックの下落に慌てることはない。
もう一つはナスダックの中には世界の経済を牽引する素晴らしい会社があるということだ。その一つがマイクロソフトだ。
景気の回復過程では、今まで客足が遠のいていたレストラン・ホテル。・レジャーなどが脚光を浴びることが多くなるだろう。
だが長い目で見るとこれらの企業も情報通信技術を活用して、生産性の向上を求められていることに変わりはない。
しばらくたつとIT企業にスポットライトが当たることは間違いない。
だから2つ目は相場の下げは優良銘柄をピックアップするチャンスということだ。