東日本大震災から3年。
海沿いの町が更地のままだったり、あるいは放射能に汚染されたところでは地震や津波の爪痕がそのまま残っていたりする。
なかなか復興が進まないのは、住民の方々がもとの場所に住居を再建することが不可能であるのも大きな原因なのでしょう。
新たな土地に移り住む人が多ければ、もとの自治体は衰弱する。ふるさとが荒れる。
人は移動することができるけれど、ふるさとは動かすことができない。そして、亡くなった人たちは、遺族の気持ちの中では、ふるさとに結びついたままだ。
人と土地をめぐる現実と気持ちとの葛藤は、いつまでも解決できずに残るのだと思います。
ふるさとは遠くにありて思うものだとしても、なくなっていたり、別ものになっていたりすると、たとえようもなく悲しい。自分の一部が失われてしまうのです。