惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

繁殖干渉

2015-04-20 21:33:38 | 自然

 昼過ぎから、雨に加えて強い南風が吹き荒れ、とても散歩ができる状況ではありませんでした。今日は生きがいを奪われ、残念無念。

 

 それでも、午前中は降ったりやんだりのお天気。やみ間に近くへ出た際、空き地にセイヨウタンポポの群落があるのを見つけました。

 

 

 セイヨウタンポポが日本のタンポポ在来種を駆逐してしまうメカニズムについて画期的な発見があったのは一昨年のこと。
 名古屋大学の西田佐知子(どこかで聞いたような?)准教授のグループが、駆逐される内地のタンポポはセイヨウタンポポの花粉を受け入れ、受粉しても種子ができなくなって子孫をどんどん減らすといいう研究結果を発表したのでした。
 この現象を「繁殖干渉」というのだそうです。

 

 西田准教授が研究に使用したのはカンサイタンポポ(セイヨウタンポポに駆逐されている)とトウカイタンポポ(駆逐されていない)でしたが、カントウタンポポもカンサイタンポポと同様の弱みをもっているのでしょうね。
 セイヨウタンポポや雑種のタンポポは他の花の花粉を受け入れなくても種子をつくる(自家受粉によるクローン)といいますから、手に負えません。凄まじい生存戦略だ。

 

 今夜の談志師匠のCDタイムは「五貫裁き」。講談の大岡政談から、家元が落語に仕立てたものだそうで、別途、円生師匠は「一文惜しみ」という題目にして演じていたとか。
 この話には「文」とか「両」とか「貫」とか、江戸時代のお金の単位が出てきます。よく知らなくてもだいたい内容は分かりますが、知識があった方が面白い。

 

 1文=寛永通宝1枚――今のお金にして、この話の時代となる江戸中期で6~8円ぐらいでしょうか。
 1両=4000文(3万円ぐらい?)
 1貫=1000文(7000円ぐらい?)

 

 吝嗇な質屋に怪我させられたと大岡越前守に訴え出た八五郎が、逆に、1文の銭をないがしろにしたということで、その罰に、毎日1文ずつ、5貫の金を、質屋を通して奉行所に届けるように申し付けられる。それを聞いた大家が、これはかえって質屋を懲らしめる材料になると、八五郎を焚きつけて朝晩おかまいなしに「お奉行さまへのお金」と、質屋へもってゆかせる。質屋は、夜、眠れなくなって……という筋書きですが、人情家だが悪賢い大家と、お調子者で乱暴な八五郎、吝嗇だが権威に弱い質屋の描きわけが見事なうえに、テンポが良いものだから、ついつい笑ってしまいます。吝嗇な質屋を懲らしめるというストーリーを追うだけの噺になったら、たいして面白くないと思われますが、絶妙のくすぐりを交え、文句なく楽しめるものになっています。