最高気温 25.3℃まであがりました。
トマトやスイカの植え付け準備におおわらわ。狭い庭でやってるもんで、大変なんです。
今日の談志師匠のCDタイムは「白井権八(鈴ヶ森)」。広沢瓢右衛門から教わったという、師匠ならではの講釈もの。
「面白い話じゃないから、ほかの誰もやんない」と言っているのは、裏返しの自負なんでしょう。続けて「下手にやるったって、三平や円鏡みたいにゃならないから心配しなくていい」なんて言ってます。
家元はよく円鏡(今の橘家圓蔵)さんをバカにしてましたが、これも愛情の裏返し。落語家のひとつの典型として尊重していたんだと思います。
本題の噺は、東海道を下る白井権八と、雲助、幡随院長兵衛とその手下、渡し守、山賊らとのやりとりを語ってみせるもので、ストーリーらしきものはありません。それぞれの登場人物の描き分け、講釈ものならでは七五調の名調子が楽しい。
家元のなめらかな口舌が講釈ネタにはよく合ってます。
〈小説推理〉6月号が発売になりました。担当のSFレビューで次の3作を取り上げています――
- チャーリー・ヒューマン『鋼鉄の黙示録』(安原和美訳、創元SF文庫)
- 上田早夕里『薫香のカナピウム』(文藝春秋)
- 倉田タカシ『母になる、石の礫で』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)
『鋼鉄の黙示録』は南アフリカSF。映画といい、小説といい、南アフリカのSFには独特のぶっ飛び感があって、楽しく、かつ切ない。