惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

焚き火

2013-10-19 21:03:59 | 日記・エッセイ・コラム
 朝から薄曇りで、時折り、日が射したり、かと思えばかなり暗く翳ったり。夕方には小雨が降りだしました。

 空気が湿ってきた頃を見計らって、庭で焚き火。シロアリにやられたので分解した木製プランターの部材を燃やしました。

 ホームかまどという便利なものがあって、これを使うとよく燃え、煙もほとんど出ません。住宅街での焚き火には必須といっていいでしょう。

 火の番をしながら、燃えた熾(おき)を火箸でつかみ出しては七厘へ。薬缶をかけてお湯をわかしました。
 その後、七厘にはさらに熾を足し、網を載せてサワラの切り身を焼きました。これは夕食のおかず。

 それでも余る熾は水で消し、消し炭にしました。
 この消し炭はいずれ土に混ぜ、土壌改良剤とする予定。木材が燃え尽きて最後に残る灰も、酸性化した土の中和に使えます。

 焚き火はそれだけで心が落ち着く。おまけに色々役立つとあって、どうにも止められそうにありません。


大錦草

2013-10-18 21:01:28 | 草花
 昨夜は新宿に出て、古くからのSF仲間と歓談。
 集まった9人は、もう皆、60をとうに過ぎた老SFファンばかりですが、顔を合わせていると気分は若い時のまま。楽しいです。

 そこでも皆さんにお知らせしたのですが、来月は知る人ぞ知るフランスの作曲家、シャルル=ヴァランタン・アルカンの生誕200周年の誕生月。
 アルカンにほれ込んでいる息子も彼の曲を演奏するコンサートにいくつか出演します。皮切りは――

 11月6日(水)午後7時開演
  • 場所:すみだトリフォニー小ホール(錦糸町)
  • 演目:ドイツ風メヌエット/悲愴な様式による3つの曲などオール・アルカン・プログラム
 くわしくはこちらをご覧ください。
 なお、私宛てにメールをいただければ、チケットを手配いたします。

 その他――

28日(木) 東京文化会館小ホール(午後1時と6時)
30日(土) 杉並勤労福祉会館小ホール(午後5時)
にても コンサートが予定されています。詳しくはこちらをご覧ください。

Oonishikiso1310 今日の写真は、たぶんオオニシキソウ。トウダイグサ科の一年草。
 よく見かけるニシキソウやコニシキソウの仲間。やや大ぶりで、茎が立っているところが特徴です。

 これといって見どころもない、道端の雑草の典型のような草ですが、北アメリカ原産。手元の図鑑には「中部地方以西に帰化している」とあります。そういえば、あまり見ない草なので、写真に撮ったのでした。場所は慈恵第三病院前の道路脇。
 数日前のマルバルコウ同様、東進して来ている雑草のひとつといっていいようです。


亜米利加犬酸漿

2013-10-16 20:38:22 | 草花
 台風26号は房総半島沖を通過し、上陸はまぬがれました。が、伊豆大島では大雨による土砂崩れで大変な災害に。

 我が家のあたりでは、雨戸を閉め切っていたためはっきりはわかりませんでしたが、雨はそれほどでもなかったみたい。しかし上空の風はもの凄く、朝方はずっと空がゴオゴオと唸っていました。地上の風は少しましで、木の枝もそれほどは折れたりしませんでした。
 今年は何度も台風が襲来しました。もう勘弁して欲しい。

Inuhouzuki1310 風がおさまり、日も射してから出かけた散歩の途中、往来の脇に生えているアメリカイヌホオズキが花をつけているのを見ました。

 アメリカイヌホオズキはナス科の一年草。アメリカのつかないただのイヌホオズキは別名バカナスと呼ばれますが、草全体の感じはどちらも小型のトマトのよう。花は直径5ミリと小さく、色は薄紫。黄色いトマトの花とは色や大きさこそ違いますが、形はよく似ているし、実も小さなトマトのようです。

 下に見えるのが実です。熟すとナスのように黒くなります。名前のとおり、北アメリカ原産。


『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』

2013-10-15 20:58:00 | 本と雑誌
 台風26号接近中。
 仕事に追われていることもあり、今日は家から一歩も出ませんでした。夕方には雨戸もぴしゃりと閉めて、台風を迎え撃つ構え。
 本当はそれてくれて、備えが無駄になるのがいちばんなのですが。

 風野春樹『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』(本の雑誌社)は、大正時代、圧倒的な人気を博しながら、文学史には名を残せなかった不幸な作家の評伝。素材が特異で、実におもしろい。

 この作家の作品を、私は読んだことがありません。『地上』が大変な売り上げを示したこと、狂人となって若死にしたこと、杉森久英が『天才と狂人の間』という島田の評伝を書いたこと、彼の名を冠した「島清恋愛文学賞」が存在すること――これが知識のすべてといっていいでしょう。
 その作家のことを、著者は、森田信吾の伝記マンガ『栄光なき天才たち』によって知り、興味をもったとか。忘れられた天才の1人として取り上げられていたそうです。

 実は、著者の風野さんは私の若い友人でもあります。読書好きの精神科医。書評やエッセイも書かれます。

 彼の好きな本というのが、ちょっと風変わりかもしれない。まあ、私の知り合いなので、SFが好きというのは察しがつくかもしれません。ただ、SFの中にもオーソドックスなものと、そうでないものとがあり、風野さんの趣味範囲は両者にまたがっているのですね。いってみれば「変なもの」をも面白がれる才能をもっている。

 そんな風野さんだからこそ、島田清次郎が書いた諸作を、既成の価値観に曇らされた目でなく、当時、熱狂した青少年の心情をも汲み取りながら読み、紹介することができたのだと思います。

 晩年の島田は、風野さんの目から見ても精神病を患っていたようです。しかし、実際に発病する前から、文壇は彼の奇矯な言動をあげつらい「狂人」としてまともに扱おうとしなかった。その一方、彼の書く本の売り上げは圧倒的だった。

 そういった事情を評して、風野さんは「『地上』のベストセラーは、日本文学史上初めて、若者の感性が文学界を動かした事件だったのである」といいます。

 文壇が確固たるものとして存在し、文学の覇権を握っている状況のもとで、島田清次郎は弾き出されてしまったのでしょうか。
 その間の事情を、著者は島田の言動を丁寧に追うことで、周囲から嫌われざるを得なかったことも描きだします。そして、それが彼の性格だけでなく、不幸な生い立ちや、若くして成功したことなどからきているのではないかと示唆し、温かく理解しようとしているのです。
 こういう人だからこそ、精神科のお医者さんがつとまるのだろうし、こういう人がお医者さんであってくれて良かったと思います。

 確かに、若き日の島田のような人物は、私の身近なところにもいたんだよなあ。
 というか、少年から青年へと成長する過程では、誰しもこうした一面はあるのかもしれない。

 人間というものを理解する上でも参考になる1冊です。


丸葉褸紅

2013-10-14 20:36:07 | 草花
 1週間前に用意した土を使って、ヒヤシンスとテッポウユリの球根を植えました。昨日のこと。
 植えるといっても、毎年、同じものの子孫を育てているので、植え替えというのが正しいのかもしれません。実際、ユリは掘り起こして、すぐまた新たな鉢に埋めました。ヒヤシンスの方は、初夏に掘り出しておいたもの。毎年、増えてゆきますが、使い切れないぶんは家の前を通る人に勝手に持っていってもらい、どちらも2鉢にしています。

Marubarukou1310 今日の写真はマルバルコウ。ヒルガオ科ルコウソウ属の1年草。
 何度か書いたと思いますが、我が家近辺では、10年ほど前からとみにはびこってきました。西日本にはもっと多いかも。もとは南米原産といいます。

 花の直径は1.5センチほど。ヒルガオの花の先端をちょん切ったような形をしています。
 葉はサツマイモにそっくり。サツマイモもヒルガオ科なんですね。